Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

生活が変わる

2013-10-30 20:24:51 | その他

10月27日の綜合芸術茶房「喫茶茶会記」での「zorzo BERGam」スピーカー二種の比較試聴会が無事に終わった。スピーカーが部屋の影響を受けるというオーディオ再生の基本問題をまたもや痛感する。去年、日向薬師から座間に移ったときのデッカコーナー型スピーカーの生彩を欠いた激変ぶりというレベルほどではないが、同一ソースで比較してみると山田さんの部屋で試聴してきたいつものトランジェント特性に優れた音が迸る解像力は少し薄らいでしまった気もする。聴取者の数、部屋の構造、エアボリウム、全てが作用した結果の音である。しかし好評意見が多かった小型スピーカーをさらにデザイン面で磨いて市販化も見えてきたのだから、山田教授にとってはよいきっかけのイベントにはなったのだと思う。ガラス版大型スピーカーは最適条件を煮詰めている山田教授の部屋で、少数精鋭的に聞くことが理に叶っていることだと思った。ちょうどそのイベント日を境にして、一年半続いた夜勤暮らしが終わった。少しだけの昼間都心生活が復活してこの一週間は和みに満ちた晩秋模様を楽しんでいる。

 

お昼には近所に民芸館もある駒場公園の閑寂も3分という至近の距離で味わえる。この公園の最大美点は遊具の類が少ないことだ。端っこに幼児用のブランコがあるだけだから、大人は静かな安息の時間を過ごすことができる。素っ気無い野原を囲む欅、松、楠木の鬱蒼とした木立、その隙間を透過する光りも微風もよい調合の具合である。

そこの一角で座間「池久」のパンを昼食弁当にしたり、神保町の古本祭りにも出かける。下北沢の町をゆっくり徘徊して北沢の住宅街を歩いて東北沢へ戻ったり、目の前で停車する100円の「ハチ公」バスで渋谷にも出かけてみる。大昔、訪ねたことがある渋谷西原に近い教育大農学部があった場所は今、整備されたスポーツセンター、総合老人施設になっていて当時の面影は敷地の輪郭くらいしか甦ってこなかった。


BERGamスピーカーの茶会お知らせ

2013-10-22 21:03:43 | JAZZ

「喫茶茶会記」のラージルームが会場になっていますが、22日現在で20名以上の参加予約がきています。場合によっては遅い訪問の方は隣室のカフェコーナーでの傍聴になることもありますのでご了承ください。会費は無料、コーヒー、お菓子等のサービスがありますがアルコール類をご希望の方は茶会記のメニューに従った実費をお支払いいただくことになります。試聴用のCD持込も歓迎します。5分以内の曲にしてください。主催側の選曲はクラシック、ジャズが中心になりますが、場違いと判断しない限りジャンルは問いません。皆さんとの邂逅を楽しみにしております。

 

 


BERGamスピーカーの完成を祝って聴く茶会 10月27日四谷「喫茶茶会記」

2013-10-21 08:05:37 | その他

ニーチェの言葉に「隠れ生きよ」というのがあるが、都心、四谷3丁目の裏小路にかって「音の隠れ家」があった。ここではPAリースで浮世の塵めいた日銭を稼ぎながら、時々、実利には縁遠い音楽やオーディオの「隠れ生きよ」風のことをしていた。今はそこが「総合芸術茶房 四谷茶会記」になっていて壮年期に達したFさんがハンドリングしたクロスアートの場所になっている。40年来の付き合いをしている山田さんの入魂スピーカーの完成を祝って、そのスピーカーとジュニアバージョンを聴く茶会めいた催しを開くことになった。SPやLP初期時代に接した音楽の生々しい原像を現代的なオーディオ素材で復活させるという趣旨で開発された斬新フォルムのスピーカーである。イタリアやドイツの文化を熟知している山田さんのスピーカーネーミングは、イタリア語の「山の麓」のような意があることを先だって聞いたところだ。

山頂への道半ばの意味もこめられているのだろう。既存ビンテージやハイエンドオーディオ等に凝って日本的金満家めいた睥睨を下す立場になれば、なれないことはない資力は十分あったのに独自なスピーカーのインディーズ路線に執着したところに山田さんの不思議なリビドーをいつも感じている。一番音楽的には完成度が高いスピーカーという分野で数十年も大学教授業と平行して優雅とは程遠いドンキホーテっぽく邁進してきた意味を当日は明かして貰いたい気持ちである。そこにポイントをしぼって様々な諸ジャンルにわたる音楽ソースをかけて、楽器によく喩えられるスピーカーからの回答を得たいと思っている。また開発者の山田さんによる要旨説明によるフリートークも行う予定である。

概要 10月27日(日) 午後2時~5時 

場所 総合芸術茶房「喫茶茶会記」 東京メトロ丸の内線「四谷3丁目」下車3分 老人施設「マイウエイ」前の路地奥左

新宿区大京町2-4 サウンドビル1F

会費 コーヒー・茶菓子付 無料


台風去って女性店主合同古書展を漁る

2013-10-17 10:33:22 | その他

座間の朝は台風が房総沖を通過中とは思えないほど平穏だった。休日にも関わらず職業的習い性のせいか、朝5時には目覚めてしまう。せっかくの休日だ。お天気が好転してほしいが交通機関は台風関係で相当に乱れている。ダイヤが煩瑣化している為にすぐに音をあげて遅延してばかりいる小田急線を避けて散歩に出かけることにする。やはり相鉄線も遅れているが、こちらは路線が小田急に比べればシンプルだ。復旧も早い筈と判断して横浜市内へ向かうことにする。青柳君からの電話で横浜有燐堂書店の別館にて行われている古書展に誘われた。神奈川県下にある古本屋さんの女主人が選んだ書物、雑誌類の合同展示即売会という趣旨の柔らかさに惹かれた。7店舗の合同企画で中には、お買い上げした顧客サービスにコーヒーサービスのコーナーまでセットされている。「不機嫌な自我こそ充実している」という戦後知識人の言葉を思い出すが、ブスっとした仏頂面を下げているのが普通という古書店主にかわってジェンダー的に零細な台所を支えている柳田民俗学風な表現に例えると「妹の力」の表舞台への登場である。古書業界にもブックオフの一人勝ちに抗する為の陽性的に色々な企画があってしかるべきだ。会場の陳列はとても見やすく、女性の視点で選んだカラフル絵本等の在庫もミーハーに陥らないよいものが散見できる。

尊敬する船越保武さんの大判素描、写真集内等にも引き寄せられる。納まっている「聖クララ」などの女人像を淡く精緻に描いたエスキースを眺めていると涙がでそうな衝撃を受ける。欲しい!しかし定価3300円は決めてある休日散歩の自己規制上限額5000円にすぐ食いこんでお茶も飲めなくなってしまう。まだ会場見物の緒についたばかりだ。場内でもっと欲しい書物が見つからない場合に温存しておくという下流社会人の生きる知恵を発揮することにした。会場では藤沢湘南堂のコーナーでよいものに出会う。先だってゲットしたベルナール・ビュッフェの古典自動車画集みたいにチャーミングでカラフルなビンテージラジオの写真集だ。「RADIO REDUX LISTENING IN STYLE」というタイトルがついている。1930年代から1950年代のラジオ全盛期にふさわしいゼニス、フィルコ、モトローラ、スチュアート・ワーナー、シルバートーン、RCA,等のゴージャス且つ斬新で愉快なデザインのラジオばかりが夢見るように配置されていて、これは買わざるを得ない気持になって即決2100円である。

同じ場所には日本版「エスクワイア」がジャズ特集したものが2冊あった。これは1冊400円で安い。チャーリー・パーカーが白人のガールを横にして心底から笑顔で寛いでいるウイリアム・クラックストンのモノクロショットに参ってしまいこれも買う。あとは近所の路地裏マイペース古本屋で「斎藤慎爾句集」日本陶磁協会発行 「日本窯別名典」という便利極まりない古書を買う。散歩の上限規制額にはギリギリとなってしまったが、しかし船越さんの画集には心が残って仕方がないので、近日中の散歩にてゲットすることを心に誓うことにして、青柳君とは付近にオープンした「イタリアントマト」で再度200円のコーヒーを啜る。


「和っしょい」パンの楽しみ

2013-10-15 20:59:10 | 

パンが先か釣りが先か?で悩むのがいつものことだが、パンを先に確保しないとたちまち在庫が少なくなることを知ったものだから今回も躊躇しないで開店前の店先でオープンを待ちながら崎陽軒の「シュウマイ弁当」の朝飯をとる。この「和っしょい」のパンがもたらすまっとうで豊かな小麦の恵みというものに病みつきになっている人もいるようで、開店時間前にはどこからかクルマで乗り付ける常連さんで長閑な山裾が少し賑わう。

敷地の隅には「紫しきぶ」壁の蔓を編んだ花かごには季節の「コスモス」もさりげなく添えてあって、童女風のあどけなさと徹底した探究心を併存させた相貌の店主が実利だけに邁進していない歌心をもっていることに気づく。ドクター桜井氏は家族土産のパンになるから多めの買い物になる。そこへ単身者用の2個を毎回混ぜて一緒に買っていただく。

今回はすごく焼き色が深いハードな小型カンパーニュパンが目についた。中の具はショコラのザクザクしたかけらと胡桃がたっぷりと混じっている。これは夜勤時のおやつ用にする。もう一つは長円形の楽しそうなピッザパンだ。これは釣り場の休憩用とする。しめて490円という小さな贅沢だ。ニジマスが10匹を超えた時点であずま屋風のベンチに腰をかけ水色のよい新崎川を眺めながらこのピッザパンを食べてみる。ガーリックとチーズベースの生地にトッピングはしめじきのこ、ズッキーニ、などが紛れている。しかしこのピッザパンの主役は意表外な長ネギのようである。長ネギの香ばしい香りをチーズとハーモニーさせるというアイデアの勝利だ。ブラックの缶コーヒーと長ネギピッザパンの相性をしばらく楽しんでから、日が傾きかけた釣り場で追い込みをかけることにした。