Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

スーパーカブ散歩

2019-01-24 09:16:50 | ラジオ亭便り
昨年の年末にやって来たスーパーカブの黄色い中古車、通称「リトルカブ」が横浜の市内散歩で活躍している。
錆びも浮いて窶れている走行1万キロの中古だが、整備に出してから調子が良い。湘南や三浦方面のやや遠方地域へ出向くには50CCの動力性能では如何にも非力だが、市内5キロ圏程度の足としては十分である。昔、吉祥寺の「メグ」へ出入りしていたHさんなどは新潟迄スーパーカブで往復したという勇猛話をしていたことがあるが、わたしの今の気力では座間市への20キロ程度もよほど気力が横溢していないと無理だと思っている。

「リトルカブ」というのは標準のスーパーカブよりもタイヤのインチ径が小さいせいか、小柄なスタイルをしている。これで横浜市内の本牧通り、鎌倉街道、国道16号といった幹線道路の裏道を4速トップスピードの3〜40キロ以内でトコトコ、ユルユル静かに走ることにこのバイクの持ち味というか適正がある。本日も歩いて向かうには不便な中村川沿い三吉演芸場の対岸にある定食屋を目指してみた。三吉橋の南際にある食堂「マエカワ」よりも少し東に寄った石川町寄りの店である。いつもバイト先のクルマで通過してしまう「埼玉屋」という昭和ムードの残る総合食堂だ。

リトルカブを使うようになってから、ついつい足が向いてしまうのが、南区万世町にある老夫婦が仕切っている中華の「若松屋」南区永楽町にある「一番」みたいな「しがなさ」と昭和的活気が今も共存している店である。「埼玉屋」まえの歩道にリトルカブを停めて独居老人の昼食にありつく。店内は見かけよりも混み合って昼間から焼酎、ビール等を飲む人が多いのも三吉橋付近の毎度お馴染み風景だ。

総合食堂と銘打ってあるだけに献立は多いが、メニューケースの中に既に作り置いたおかず類から鮭の塩焼きを注文して、これを定食にしてくれと言うと、蜆味噌汁、副菜のブロッコリー、ハムの煮付け、ご飯がついてくる。鮭は南米チリー産の平凡味の出回り品ながら、カマの厚みと脂が 味覚を助けてくれる。お会計は550円。

次は隣席で食べていた配送業の若い子が注文した「秋刀魚塩焼き」でもと思いながら店を出る。リトルカブのおかげで若年期に育った横浜の記憶に潜んでいる平凡食堂巡りという楽しみがまた一つ増えている。

余談ですがミニエレガンスな50年代のモノラルスピーカISOPHONがちょっと滞在中。ボリウムを落としてチェット ベイカーがモノローグ風に歌う「マイファニーバレンタイン」などが素晴らしく適合しているのでお暇な方はどうぞ。
営業日ご案内 1月26(土)27(日) 13時から18時 平常営業。

新春を愛でる

2019-01-07 19:58:46 | ラジオ亭便り
寺島靖国さんによる「日本一うらぶれたジャズ喫茶」という呼称を受けた我がラジオ亭は、その一面では「チェット ベイカーの落胆感が日本一ピッタリ似合う」店でもあるらしい(「テラシマ円盤堂」所載記事、音楽之友社月刊「ステレオ」1月号参照)
貶して褒めるという皮肉精神溢れる寺島節を玩味しながら2018年から2019年への年を越す。「うらぶれたジャズ喫茶」の年末大晦日の来訪者は夜半11時迄10人の知己で賑わうことになってつくづくと新旧友人の有難さを味わう。

このところ遠ざかっている年越し蕎麦は出雲の十割蕎麦による熱い煮込み鰊蕎麦を食べる。新年初頭のバイト休業日は少年時代の懐かしい真言宗弘明寺観音へ初詣。100円お神籤での今年の運勢は「凶」、昨年本牧神社で引いたお神籤では「大吉」と出ただけに我が人生の反転落差を物語るようで面白い。5日の週末は熱海初島、MOA美術館等を散策。

往きの東海道線快速アクティ号の車中では崎陽軒の「シュウマイ弁当」を食べながら熱海へ向かうという典型的な昭和風懐古感情をたっぷり味わう。MOA美術館では日本画の竹内栖鳳展を開催中。小禽が大好きな栖鳳の「喜雀」等の雅趣に溢れる屏風絵に心が踊ってしまう。


「オーミラドー」では伊豆大仁産の自然農法野菜による美的ランチを満喫する。MOAの敷地内では早い紅梅の開花とパラつく霰を目撃、微かな春の兆しを熱海市桃山町の山裾で味わう喜びに浸る。
営業日のご案内 1月12、13 20 平常営業 13時〜19時 19日(土)のみ16時〜19時