Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

八王子・武蔵五日市快走日

2015-09-16 21:51:36 | JAZZ

横浜市中区の懐古茶房「横濱ラジオ亭」のオープンが1カ月後に控えている。カウンター10席強という狭いスペースでまろやかに鳴ってくれるメインのラジオを探していたら真空管アンプの大家として有名なA先生の古くからの知己宅にちょうどよい現役モノがあると趣味仲間のDさんが取り次いでくれた。我々のお願いを快諾してくれたY先生の住まいは都下といっても西の遥か郊外に位置する五日市と聞いてやっぱり物好きの血が沸騰しはじめた。

「善は急げ!」の格言を思い出しDさんと同行することになった。格安の中古車をネットオークションで落札してから700キロ程度走った三菱・コルトの動力性能を試すにもちょうどよい中距離ドライブの機会ということで、ついでにそのラジオも運んでくるという算段だ。五日市への途中には懐かしい町八王子が控えている。浅川の流れと遠方に広がる多摩の山々の容姿を愛でるコースならばなんといっても「あきかわ街道」の景色がいい。

中古車にはNAVIは付属してないから久しぶりの人間NAVIをしまってある記憶装置から惹起させて走ることになった。元本郷から楢原、川口という八王子の平坦な緑園地帯はすでに秋風のさ中である。五日市へさしかかるタイトなアップダウンで曲折する峠道も小型の中古コルトは切れ味のいいハンドリングと剛性感に満ちた粘っこい足回りを示してくれて、これなら今しばらく出世するまで乗れるね!とDさんと笑う。Y先生のお宅はJR五日市駅からとても近く、細い山坂道を辿るという予想は覆された。到着後、ラジオをチェックする。

1957年ドイツ・シュッツガルトで作られたリビングステレオへ移行する時期のモノラル中型ラジオで文句なしの状態だ。技術畑のA先生は埃が堆積していたこのラジオを入念に清掃してくれた。電源を入れて中波帯へダイヤルを回したら図太い音声が流れてきたので、真空管もスピーカーも生きていることがわかった。内側にマウントされたスピーカーはフェライト型の惰円スピーカーでニッケル製のフレームは58年前という年月を感じさせないくらいクスミがない。

中波帯ラジオを聞くことは滅多にないので、目的はこのラジオのモノラルスピーカーへフォノ又はCD等からの入力を別付けすることだ。パイロットランプのミニ珠、ヒューズなどの部品を追加して、改造を行えば大好きなペギー・リーやジュリー・ロンドン、ドリス・デイのまったりとした歌声がこの「WEGA」ラジオから流れてくるのはそう遠くないだろう。


近況

2015-09-10 11:00:24 | JAZZ

台風18号の影響で足元を危惧するが、大雨の渦中を相鉄線「かしわ台」駅まで中古車のミツビシ・コルトを走らせる。水浸しの滑りやすい国道をホールドする購入迄にすでに8万キロも走ってきたクルマの足回りの堅実に安心する。駅前では24時間500円の駐車場へ預ける。かしわ台駅前は勾配の多い形状で一面の川状態になって威勢よく氾濫する水で足元も衣服もずぶ濡れになってしまった。

相鉄、京急線を経由して向かう先は横須賀の「汐入」駅前のガード下にある「平林」という昭和レトロなカフェだ。ここで老人4人による雨中半日会談を行う。目的は10月18日の大安日にスタートする中区・山元町の寿司店跡地の「横濱ラジオ亭 珈琲・音楽・のすたるじあ」という週末限定懐古茶房のPOPデザイン、ロゴマーク等を老人の一人にお願いする話だ。Oさんは大手自動車メーカーのデザイン部に籍があった方である。過去に余興でこなした鎌倉小町通りの路地裏にある蕎麦店の献立、看板等の墨書によるサンプル原画がとても飄逸であって凛とした清潔感も漂わせている。こちらが用意していったラジオのゼニス、モトローラといった1950年代のアメリカラジオ全盛期の写真集と似たムックをOさんも持っていて話は通じやすい。Oさんへの話はクルマのデザイン余話等に脱線することも多かったがなんとか依頼を10日くらいでこなしていただくことになった。謝礼は格安でと念を押したがOさんは固辞する一方だ。ついては本牧通り・中区千代崎町の近くある中華隠れ名店で老人4人による小宴会をしようではないか!ということで納まった。

帰路は目の前の京急駅を選ばないで雨の勢いが弱まった臨海公園沿いをDさんとJR横須賀駅までおよそ10分歩く。小雨に煙る横須賀軍港の海上に浮かぶ水鳥、大型母艦を眺めながらのそぞろ歩きである。田浦駅トンネルの遥かに古いレンガ張りの形を愛でるDさんとの会話はいつも気心が通っている。

座間へ戻った時間帯には台風の雨も去っている。夜半は過去の数年に溜まっていた喫茶グッズというかツール類の清掃と整理を始めている。業務用コーヒーミル、銅製薬缶、エスプレッソマシン、カフェの体をなさないものは選んだら恥なので用心深いぞ今度は。しかしモノラルのラジオ系もさることながら先日、小品ハイセンスオーディオの達人、Hさん宅でいつも見かける英国グッドマンのミニスピーカー(写真参照)こういうものも配置して音が流れる光景もついつい夢想してしまうからなかなか病気は治らないようだ。