ミッドナイトスワン

観てきた。

息を詰めて観た。

女装と一口に言ってしまえば、剛クン達はコントでやっているから、その姿自体は珍しくも何ともないんだけど、スクリーンに凪沙が現れても、それは紛れもなく凪沙で、剛クンに似ているトランスジェンダーの凪沙だった。
映画のネタバレになるけど、途中、仕事のために男性に戻るべく髪を切って見覚えのある剛クンの顔になっても、やっぱり凪沙だった。

そして、一果ちゃんはほとんど話さないんだけど、話さなくても仕草や表情が素晴らしかった。
バレエも綺麗だった。
一果と友達になるりんも、いかにもお金持ちの子って感じで、一果のバレエに嫉妬して意地悪をするのかと思いきや、そうじゃなくて自分が悪いことを言えるきちんとした女の子だった。それを親は見ないんだけど。

水川あさみさんもよかった。

苦しい映画ではある。それでも、どこか優しさもあって、でも、やっぱり苦しくて切なくて凄惨で壮絶で、「生きる」ことそのものの映画だった。
苦しいのに清らかな空気が流れたラストだった。
ほんとに辛い最後なんだけど、もう観たくないとは思わなかった。
むしろ、また観てもいいと思った。