それは昨日、時間調整のために入ったネットカフェでの出来事。
個室トイレで用を足し、トイレットペーパーに手を伸ばしたところで、置忘れの財布があることに気が付きました。
その黒い長財布は分厚く幾種類のカードの他に明らかに20~30枚ほどのお札が入っていそうです。
個室トイレの扉の向こうには人気もなく、また人が入って来そうな気配もないのです。
そこで朴は4通り考えたのです。
それは
①このまましらばっくれて財布ごと持ち去る。
②1~2枚ほどお札を抜いて財布は置きっぱなし。
③そのまま放っておく。
④受付カウンターに忘れ物として届けに行く。
そして①~④のリスク・リターンも計算しました。
①置き忘れた人が戻ってきて尋ねられ、表情に出てばれてしまう。これは立派な犯罪である。
②前記①よりバレるリスクは小さいものの、ある意味①より計画的で性質が悪く、かつセコイ。
③次にトイレを使用する人が持ち去る可能性もあり、見て見ぬフリをするのはいけないと呵責の念を感じながら生きていかねばならない。
④ビビッて届ける。届けて感謝される。
果てして取るべき行動は?考えられるリスク・リーターンは?をひたすら便器に座り込みながら推敲いたしました。
その間、私の右肩にはナベさんのような髭を生やした悪魔が頻りに「朴ちゃん、取っちゃえよ。忘れるやつが間抜けなんだよ。その金で一緒に飲み行こうぜ!」と囁いてきます。
また左肩には天使の姿のオカモッちゃんが羽をパタパタさせながら「朴さん、人のものを取っちゃいけないよ。もし取ったら僕の右ボディストレートいっちゃうよ!」とせめぎあいます。
私の中の天使と悪魔が立ち止まって踏ん張って、お互いコンビネーションを打ち合います。
そして軍配は?
オカモッちゃん天使の福音に導かれ、手も洗わずに黒い長財布を握りしめカウンターに向かったのです。
あ~
これが路上で拾ったなら謝礼で一割貰えるものをと考えたが後の祭りでした。
うん!
⑤の選択肢として、外に持ち出して路上で拾ったと警察に届ける手がありました。