故郷へ
列車が駅に着いた。
何もない街だ。昔と何も変わっていない。
列車は早くも不快な音階を奏でて発車した。
相変わらず、騒がしい若者もいない。いるのは、時代遅れのチンピラくずれの若者だ。
こんな若者をかつては怖れたものだが、今なら彼を地べたに這わすのに、それほどの時間を要さないだろう。
イワジョビは、その幼少期より転居を繰り返したが、この街が1番長い。
イワジョビは、レザーのジャケットのポケットを探り、メビウスを取り出した。
「変わってねえな、この街も。変わっちまったのは俺だけか。」
そう呟きながら、そして嘲笑を浮かべながら、メビウスに火をつけ、挨拶がわりの煙をはいた。
おわり(いつかにもつづかない)
あれ?
私はなぜタバコを吸っているのでしょう?というか、なぜタバコを持っているのでしょう?
さらにライターまで。
完全にやめたはずなのに。
しまった。昨日、会社の先輩にもらってしまったのだった。