4日ぶりに自宅へ戻ってみるとお隣さんの木香薔薇が満開になっていました。私は淡く優しい色合いのこの花が大好きです。
この木香薔薇は一昨年90歳後半で亡くなられたお隣のおばあちゃんが慈しみ育てた作品です。
おばあちゃんはその年齢にも関わらず、きちんと綺麗な身なりで毎朝庭先や向こう三軒まで掃いてくれて、毎週一回陶盤浴で汗を流し、家族と同居してるも、一汁三菜を自炊する健康で綺麗なおばあちゃんでした。
身内の愚痴になりますが、怠惰でごろごろして筋力を失い呆けてしまい、パンツも自分で上げられなくなった母と大違いのしっかりしたおばあちゃんでした。
ひとは誰もが老い病に伏し、そして亡くなります。
だけれど、毎日をどう過ごすか、考えて身体を動かしているだけで大きな差が現れてくるものだと思います。
親は色んな背中を子供に見せるのですね。
故郷で哀しい現実を目の当たりにして、湘南へ戻りおばあちゃんの見事な木香薔薇の仄かに甘い香りをかいでみて、ぼんやりそう思うのでした。