第７１回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した是枝監督の「万引き家族」の上映後に、スタンディングオベーションが9分続いたそうです。
9分間って凄いですね。
ボクシングで言えば3分3R中にずっと拍手されていたのと同じ尺ですし、横浜~戸塚間東海道線の中でずっと拍手していたようなもんです。
賛辞を贈るのも楽じゃないですよ。
9分間ずっと拍手しているわけです。手も痛くなるし、スタンディングですから腕だって疲れます。
あれ、拍手している観客は「早く終んねぇかなぁ・・・」、「もういいだろうに、疲れたわ」、
「え？まだ続くの？いい加減誰かやめてくれよ・・・」、「誰か終わんないと終われねー」とお互いに思いながら拍手し続けているに違いありません。
または拍手という単純作業を続けているうちに「あ、オレ今何してるんだっけ？」、
「え？オレ何に対して拍手してるんだっけ？」と陶然と或いはぼんやりとなってきて思考も停止しているに違いありません。
さて、今までの最長スタンディングオベーションは何か？調べてみました。
米中枢同時テロやイラク戦争の検証とブッシュ米政権の対応を批判したマイケル・ムーア監督のコンペティション部門作品「華氏９１１」が公式上映され、スタンディングオベーションがカンヌ史上最長級の２５分間も続いたらしいんですね。
25分ですよ。長すぎじゃありませんか？
横浜~辻堂まで25分です。
または小田原~茅ヶ崎もそう。
電車に揺られながらその区間をずっと拍手していたら疲れますって・・・。
絶対、観客が全員9分や25分も拍手なんて送りたくなかったに違いありません。
でも、途中でやめると自分だけ芸術を理解できない者と思われるのが嫌なのでとりあえず付き合っているいるだけだと思いますね。
