今回は久しぶりに『構内係の部屋』書庫への投稿です。
1980年代に某操車場で構内係として働いていた頃。
当時は未だ様々な貨車が存在していました。
それらの貨車の入換で行われるのが『突放(とっぽう)』です。
簡単に説明すると・・・
その前に、まずは役割から。
入換は、ひと班5人体制で全体を指揮する『操車』
転轍機を操作する『転轍』
貨車を切り離す『切り屋』
貨車を連結させる『受け屋』が二人。といった案配で・・
『操車』の指示で貨車を推進で機関車が押す。
ある程度の速度で『切り屋』が連結器のピンを外し、機関車がブレーキを掛けると・・
貨車だけが惰力で走って行き、それに『受け屋』が飛び乗り、手ブレーキを掛けて
ある速度まで落とし、停まっている貨車に連結させるのですが・・・
三本の線を使い、次から次へと”突放”しているため、『受け屋』は一回の貨車に
ず~っと乗っている訳には行かず、飛び乗ってブレーキを掛け、速度を落とすと、
飛び降りて貨車を”流し”、次にやって来る貨車を待つわけです。
そこで問題となってくるのが『手ブレーキ』の位置。
車体側面の両側に付いているタイプならば良いですが、片側にしかないタイプが来たら、
ちゃんと『手ブレーキ』のある側で待ち受けなければいけませんよね。
そんな時、一目で『手ブレーキ』が左右どちらに付いているか判る目印が・・
↑で示した『二本の白線』です。
これにより、夜目でも『手ブレーキ』の位置が把握できるという”優れもの”です(笑)
両側にあるタイプは白線も両側にあり、タンク車やコンテナ車など、『手ブレーキ』が
デッキ上にあるタイプは、そのデッキのステップが白く塗られているという案配です。
そんな目印が頼りの突放でしたが、新米のうちは貨車を”流す”速度を上手く捉えられずに
貨車同士を強く当ててしまったり、途中で停まってしまう”不連結”を作ったりして、
先輩の『操車』にドヤされたりしたのも、今となっては良い思い出です。