老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

若者たちの保守化(?)について

2017年11月21日 19時53分38秒 | その他
 先日の新聞を読んでいて、改めて考えさせられることがありました。
最近の若者たちの意識に関する11月14日付け毎日新聞の「知」と言うコラムでの記事ですが、それによると先日の衆議院選挙での投票動向や、高校生に関する調査などでも、最近の若い人たちが、いわゆる“保守傾向”に見えることに関して下記の様なことが記載されています。(私の勝手な要約かも知れませんが…)

(1)現在の若い人たちには、従来の「公共空間」の他に、「ネット空間」というものに囲まれており、いわゆる“炎上”を恐れて公共空間でも目立たないように、自分の主張を話すのを控える傾向にある。
この結果、昔からの習慣や制度を守ることを大事にして、不満を口にせず、現体制の維持を望む。

(2)今までは“保守=右派、リベラル=左派”という位置付けがあったが、この“保守”と“リベラル”の定義が曖昧で、従来は革新勢力と言われた野党は“反対はするが、明確な対案を提示せず、新たな動きや変化の脚を引っ張る『保守的勢力』とも見なされる”傾向にある。

 これらの理由で、現在の若い人たちには、かっての“青春=反権力”という構図は成り立たなくなっているのではとされています。


 確かに(2)については、自民党と同じく損得勘定で離合集散を繰り返し、新しいことを提案し得ない現在の野党には、魅力がなくなっているのは事実でしょうし、保守的と言われても仕方ないでしょう。


 しかし、むしろ問題は(1)ではないでしょうか。

 現在の若い人たちが育った環境では、議会制民主主義が当たり前の社会で、日本の議会制民主主義が機能しなかったために辿った過去の問題などを知る由もなく、従って議会制民主主義を守ることの大切さも感じず、また議会制民主主義を守るためには何をすべきかという事も考えることがない人たちが大部分なのでしょう。

 また、少子高齢化の急激な進行で大量の高齢者が定年になり、若い人たちの就職機会は確かに増加していますが、日本の人口減少化はどうしようもなく、経済成長を期待させるような環境にはありません。

 その為に、日常の生活では周囲との摩擦を避けると共に、出来るだけ責任を問われない様に、保身のために思考を自己規制しているのでしょう。
このような姿勢が、「空気を読む」、「顔色を伺う」、「長い物には巻かれる」とか「権力に擦り寄る」とか言うように、いわゆる“忖度”が横行する理不尽な社会を増大させていくのです。


 しかし、考えて欲しいのは現在の問題点を安易に容認や放置しておけば、やがて発生するのが明らかなより大きな問題は自分たちに圧し掛かってくるし、更に最悪時には現在の様な議会制民主主義も知らない間に変っていたということになるかも知れないのです。


 何も、“反権力”が良いと言っているのではなく、周りに迎合する忖度依存ではなく、“自分達が責任を持たねばならない、より良い社会を目指す”ことを自身で真剣に考えて欲しいのです。(まさ)