もう35年前のアニメ映画とは!
999も40周年とか言ってましたものね。
確かに、今見ると流石に昔のアニメ感も感じられます。
多分別の場所にも書いていますが。
見た当初はそこそこでしたが、途中松本アニメブーム下降と共に、999の陰に隠れるような扱いになってしまいましたね。
一旦松本ブームリバイバルの頃、同人サイト感想でも余り良いこと書かれていませんでした。
私もそう思っていた節がある。確かに旧劇場版999、2作の後に見るとバタ臭さやツッコミどころが目立ってしまうので。
ですが、そんな私も、どうしようもない人生のやるせなさについて感じざるを得なかったとき、この作品を見ると、たちまち惹きつけられる力を感じるのです。
他の松本作品と比べて、ストーリーは救われない感じが。確かに最後は決戦で勝つのだけれど、結局はハーロック達は地球を追放されるのですから。
しかし、多くの仲間が、恋人が、倒れても、約束を守り、侵略したイルミダスの言いなりになっていく地球政府と決別して己の旗の下に戦うと信念を貫き旅立つ、這い上がっていく様は、落ち込んだとき、やるせないとき、とても共感してしまうのです。
己の信念とは?対立する立場の相手への敬意とは?友情とは?
数々の台詞がとても存在感があり、やはり出てくる度噛みしめてしまいますよ。
苦しいとき、不利な時、挫折の時に己の信念をいかに持ち続けるのか、は問われますね。
好きな場面は、酒場でトチローと出会ったところとか、第2次世界大戦時のご先祖、ファントム・F ハーロック二世と大山俊郎との友情とか、トカーガのゾル達とのゴーラム!(乾杯)とかエメラルダスの場面とか、
そしてマーヤの地下放送のセリフは、苦しさから抜け出したとき、しみじみその意味を実感できたりもしたのですね。
「苦しみがどんなに大きくても、それは明日の出会いを美しくするための前触れなのです」
「笑って太陽を見る日は、きっと来る」→これは地下放送でなくてハーロックに言った台詞ですが。
ただ、まあ、ツッコミも随所にありまして(笑)
オープニングの重さと、エンディングの軽さのアンバランスとか、
最後のイルミダス艦隊全滅のご都合主義とか(絶対ゼーダはイルミダス軍に何か報復しようと思っていたのに違いない?)、
今思えば、アルカディア号の大地を割って派手に飛び出すシーンは、カッコイイはいいですが、あんな目立つ飛び方したら、絶対トカーガ星行くことばれますってば;
などなど。
あと、当時アイドルだった渋谷哲平さんがエンディングの唄でちょっと軽いな~、と。
で、渋谷哲平さん、現在もの凄く渋いオヤジさんになっており驚きです!現在の渋谷哲平さんでエンディング歌ったらまた違ったに違いない!
りんたろうさん監督以外で、ハーロックが格好いい作品はこれくらいかな?
そして、後に良さを再発見することになった作品というのも。
当時この作品の続き的な物としてテレビで「SSX」が出ますが、、、再度見たいとは思えない作品となってしまいました。
ゼーダに「節操がない」と言われた地球人トライター首相が最初にちょこっとだけ出てきたけど、彼はその後どうなったのかね?
あのテレビ作品は、各キャラクターの魅力を、良くも壊したものだとも思ったのでした;;
まだ見ぬ友よ、明日はきっと来る・・・ゴーラム!!