前に、最近問題になっている、コロナ対策や農業問題に関する、科学的根拠の不確かな言説について、ここでも記事に取り上げています。
「発達障害に関するトンデモオンパレード情報に関する懸念」
https://blog.goo.ne.jp/sin51mosaku/e/edc6a6b5053fd3801e5a606b067ef3b8
今回はその中で、最近の行き過ぎたオーガニック農業信仰が犯すかも知れない過ちの可能性について書いてみます。
上の記事にも取り上げたように、子どもが農薬まみれの食事を取ると発達障害になる、または近い症状になる、とか、オーガニックの食事に替えれば発達障害の症状は改善する、といった言説が、オーガニックを進める一部の活動家によって提唱されていて、それが問題視されています。
この件に関しては根拠がないという裏付けもされているようです。
https://agrifact.jp/faq-no-association-between-glyphosate-and-asd-confirmed-chibauniversity/
除草剤は人以外の生き物のためにもできるならばあまり使わない社会であって欲しいですが、だからといってすべての食材をオーガニックにしなければならないとは思わないです・・・。
様々な農薬すべては否定はしませんが、例えばネオニコチノイドは現在人への影響は指摘はされていないものの、やはりトンボなどの昆虫の生息には打撃を与えているらしく、懸念される農薬ではあることが昆虫学会で言われているそうですし、除草剤も実際にそれを蒔いた田んぼで弱ったカブトエビを実際に見ていたりもします。
しかしそれらをふまえた上でも、オーガニックが発達障害を治す、という言説には根拠の乏しさは禁じ得ません。
前の「発達障害に関するトンデモオンパレード情報に関する懸念」にリンクを貼った記事の中でも、有機食材を取り入れているけれど子どもは発達障害である、というご家庭も見える、という記載もあります。是非リンク記事もご一読下さい。
さて、ここで、この言説「農薬を使った食材を摂ると発達障害になる・オーガニックに替えれば治る」。
これが正にお子さんが障害のある可能性があることに気付いた家庭に入り込んでしまったら、どんな実害が起こりうるのか、述べてみたいと思います。
まず、私も経験したことから思い出しながら、その頃の親の心境を綴ってみると、
自分の子どもが、発達がゆっくりだな、とだけ思っていたことが、どうやら保健師さんや保育士さんのお話しから、もう少し丁寧なケアが必要そうで、またそれを聞いた家族親族から障害の可能性もあるのではとなんとなく聞かされた場合、思うことは
「信じたくない」
です。
それには二つの理由があり、
一つは、我が子が、通常のお子さんが当たり前に受ける成長とそれに伴う楽しみや技能などが思うようには得られないという恐れへの苦しみと、
二つ目には、我が子が障害があることでの、周りから受ける差別的な扱いに対峙しなければならなくなる恐れ、
があるから。
我が子の障害受容とは、親によっても様々ですが、やはりそうそう簡単にすべて納得して受け入れられるわけではないです。
それゆえ、保健師さんや保育士さん相談員さんがその可能性をすぐには話さなかったりもするのです(心中されてしまう恐れも心配しているらしい)。
親としては、その時期は
「どうにかして、自分たちのあらゆる努力で我が子を普通に近づけたい。」
と思うだろうと考えます。
だから、例えばなかなか外の世界に馴染めず逃げたり泣き叫ぶ子どもを社会に馴染ませようと、ありとあらゆる育児サークルとか園庭解放の場とか、図書館読み聞かせの場などに通わせ、相当徒労して、
そして障害の可能性は明かさないまでも「この場で育ちを見たりしていきましょう」と誘われた保健所の教室、そして療育教室に通うのですが、そこでも必死になるのですよね。
(当時そのあまりにもな様子が私から出ていたのでしょう;その頃の療育の先生が「あんまり焦っちゃいかんよ;」と何回か声かけてくださっていましたね;ははは(でもその先生には感謝です、今も。);)
そしてその時期は、今もそうなのか分かりませんが、何もはっきり知らされ無いながら、様々な機関を訪ね歩くというとても忙しい状況になります。
保健所、児童相談所、公共の病院の小児科に診察しに行く、療育教室など。
(最近地域によっては発達センターという包括的な公共機関もできましたが)
振り返れば、不要なコストもあったかも知れませんが、今思うと必要だったんだと気付く面もありますが、渦中ではこの状況へ釈然としない思いも出たりもします。
さあ、その最中に
「大丈夫よ、お母さん、オーガニックの食事なら、お子さんは改善するよ~」
なんて言う誘いがあったら、それはさぞかし甘い言葉として響くのに違いありません。
更に、いよいよ我が子が何であるのか、発達外来に受診しようか決めかねているときに、
「医者はわざと何でも薬を処方して子どもを障害者にする」(これ時折出てくるトンデモ言説です)
と言われれば、
受診はやめてそちらにすがってしまう親もいても不思議ではありません。
実際、渦中で、「大丈夫よ~お子さんそんなに問題ないと思いますよ~。」と根拠は無いどころか、他の相談員さんからは引き続き要経過観察か、療育施設への通いを薦められている意見があるにも関わらす話してしまった相談員さんは、私にとってその時は「何ていい人なんだ!」と希望の存在に見えてしまったのでした。実際には問題の先送りに結びつけてしまったことになるのですが。
後々、通うことになった療育の保育士さんにお名前出したらあまり芳しくない反応であったので、察することになったのでした。
出会った親の中には気功に嵌ってしまった方も見えていました。その後どうされているのかな?
続く。