


昨日の夕焼け。
雲の表情が変わっていく。
空を見上げながらカメラのシャッターを押した。
我が家の前…夕焼け空を見あげながらの暮れなずむ夕べ。

稲刈り作業を終えた車が通りすがりに車窓を下げて挨拶していく。
運転席の男性が白い歯を見せて笑った。
その笑顔は本物ではない。
自然に笑うことなど…すでに忘れてしまった。
心の欺瞞が作り上げた虚飾の笑顔。
彼の人生にはもう二度と、心から笑える日が来ないのかもしれない。
他人の事情。人の噂。関わりたくないし関わることもない異邦人の私。
それでも長い間地域社会に寄宿していると、透けて見えてくる人間模様の悲喜こもごも。
森羅万象の様に刻々と変わる心象風景。
風景は変化していく。心象はたやすく変化しない。
田舎は厄介で噂がスティグマ『恥辱。汚名。負の印。』として残る経緯を多く見てきた。
流れ者の気軽さ。
言われなれている。謂われないことばかりで。
こなれているし、鉄の心臓でもある。
笑う事を忘れないで欲しい。
心の中で「がんばれ、負けるな」と励ましている私の気持ちが通じてほしい。

燃える夕焼け。
半時間で暮れた。