素振りブログ。

一般でスピーチできる話の素振りのはずなのに、無理な話がほとんどのブログ。

エンデヴァーの話

2020年02月10日 05時51分55秒 | 日記
私、ヒロアカのキャラではエンデヴァーがすごい好きなんですよね。
私がヒロアカを読み始めた理由みたいなキャラだから。

最初「ヒロアカにはエンデヴァーという実力はNo.2、トップクラスだが、人格クズのろくでなしヒーローがいる」という話を聞いて興味を持った。

曰く「No.1ヒーローオールマイトに対抗意識を持つも、自分の実力では彼を超えるのは不可能と悟る。しかし自分は無理でも自分の子供がオールマイトを超えればある意味俺はオールマイトを超えたと言えるんじゃないかと思い、彼を超える子供を作るために、高熱系の自分に都合の良い冷却系個性を持った女性をトップヒーローの財力を駆使して無理矢理妻にする」
「そして無理矢理妻にした女性との間に子供を儲け、4人目にようやく自分の高熱と、妻の冷却をバランスよくかつ強力に引き継いだ息子・焦凍が産まれ『この子こそオールマイトを超越するもの』と息巻いて超々々スパルタ教育を開始」
「行き過ぎたその教育方針に彼の妻は我が子を庇うために抗議するが、無視。DVまで振るう始末。やがて彼の妻は精神を病み、ある日、焦凍が父親に似ている部分が醜いと言って錯乱し、我が子に熱湯を浴びせた」
「エンデヴァーは妻を病院に入院させ、『この大事な時期に何を考えているんだ』とイラつく。それを聞いた焦凍は「お前のせいだろ!」と吐き捨て、以後父親の個性を全く使わずにNo.1ヒーローになってやると決意したのだった」

すんげー。
最初聞いたときの印象。
サイコパスなんじゃないのとすら思いましたね。

で、俄然興味が湧いて来て。
その次の号のジャンプから、ヒロアカを読み始めたんですわ。
(ちょうどステインの話だった)

ですが。

作中で、No.1ヒーローオールマイトが戦いの末、引退を余儀なくされる展開が来てから。
自分が望まない形でNo.1ヒーローの座が転がり込んできて彼は一変。

実力不足で先代のNo.1と比較される苦しみで、上ばかり見ていた時代に気づかなかったことに気づいちゃう。

あ、俺、上に行くために一体何をやってきたんだ?

自分のせいで精神を病んだ妻。
自分を心の底から「居なくて良いよ」と思っている家族。

上に行くために、俺は何を犠牲にしてきた?
望み続けた頂に立ったせいで、そこを冷静に見つめてしまった。

そこからがね。
急に優しくなるんですよ。

まぁ、本当は悪い人間じゃなかったんでしょうね。
上昇志向に狂わされていただけで。

でも、そんなんDV被害者の彼の家族には知ったことではないものな。

冷たくあしらわれてしまうけど、それでも彼は「許されたいんじゃない、償いたいんだ」
ここでキューンと来てしまいまして。

色々あって、息子の焦凍が封印していた高熱系個性を使うようになって、彼のことも頼ってくるようになるも
それは「息子が俺を許してくれた」からじゃなく「単に俺が優れたヒーローだから学びの対象として接触してきてるだけ」って理解してて
「これだけしてやってるのに何故俺を尊敬し慕わないのだ」なんて憤慨したりしない。
自業自得だからと理解している。

高い上昇志向や目的を明確にして突き進むのは悪い事じゃないんだけど、そのせいで回りが見えなくなったら後悔する羽目になる。
常に自分を客観視することは大事だよな。
彼のエピソードではそれが伝わってくるので好き。

最後は何かしら救いが欲しいところですが、それは何なんですかね?
エンデヴァーが無理矢理妻にした女性は、別にエンデヴァーに呪いの言葉を吐きかけてこないけど。
それは「もう許した」とか「後から惚れました」ってことじゃないだろうし。
子供たちについても一緒。娘の冬美は唯一エンデヴァーを父扱いしてくれるけど、それは単に父親を慕っているのではなく、父親を排除した家庭が異常に思えてなんか嫌なだけ。
これから先に何かあったとしても、彼がまともな家族を築く展開は来ないと思うんですけど。


ある意味ね、ヒロアカ主人公デク君がNo.1ヒーローになる未来より気になってるんですけどw
彼が過去のとんでもないやらかしとどう向き合い、どう折り合いをつけていくのか。
これだけでもさ、ヒロアカは連載を追う価値を感じる漫画なんですよね。私にとって。