2019年2月10日、前日の夜半から雪がちらつき、朝はほんの少しだが積雪を見た。これを逃して次は無いとカメラを持ち出して撮ってみた。そもそも南天の赤い実が2月でもまだ残っていること自体が珍しい。遅くとも1月中まで残っていたらよい方で、12月末には鳥がやってきて全て食べ尽くしてしまうというのが例年だ。この冬は食べ物が豊富だったのか、まだこの時点ではたくさんの赤い実が残っていた。そして雪が降るタイミングもまた絶妙だった。もう少し雪が多ければ更によかったのだが、とにかくこの偶然が重なり、こんな写真を撮ることが出来た。
OLYMPUS XZ-2
日本では昔からお祝いやお目出度い行事で「紅白」の配色を使ってきた。垂れ幕や饅頭や、その他諸々。そんなことも関係するかもしれないが、真っ白な雪に赤い玉が映える、ほんの30分ほどの時間だった。やがて朝日が直接当たる頃には雪がみるみる溶けだして無くなってしまったのだから。写真の撮り方としては何の工夫も無いが、とにかく早く撮らないと、という思いだけである。
このイメージは、実は時代小説作家の宇江佐真理さんの作品の中にあったシーンである。南天の赤い実を見ながら、いつかこのシーンを撮ろうと思っていた。そんな待望の一枚である。
ちなみに我が家には玄関前や庭の片隅に南天の木が何本かあるのだが、2月15日の朝、何気にひょいと見てみたら南天の赤い実はどの木も一粒残らず完璧に消え失せていた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます