【秋探し】
Minoltaの「MC ROKKOR-PF 55mmF1.7」は昨年の今頃、4本を寄せ集めて良いとこ取りで1本にした貴重なもの。F1.7という割には大柄であるが、その割には軽い(重量224g)。世話が焼けた割になかなか出番がないが、今回は久々に「秋探し」で登場してもらった。天気が良かったというのもある。
このレンズは、開放よりでは柔らかく、多くのレンズがそうであるように、絞ると解像度が上がるという特性らしい。余計なコントラストもなくて、発色もよいようで、特に青色は透明感がいいという。ボケはなだらかで自然に溶ける感じで、目立つクセがないとのこと。ややうるさく感じる印象もあるらしいが、ボケは人それぞれの好みだから、この辺は何とも言いようがない。
開放で撮っているが、解像度は絞らなくても確かに素晴らしい。背景のボケ方が多少ザワついているように思う。中央の南天の赤い実はオレンジ色になっているが、本当は他の実と同じ赤でオレンジ色ではない。光がかなり強いので、白く飛んでいるように見える。
F5.6くらいに絞ってみると、透明感のある(秋の空気が感じられる)描写になる。周辺光量も不足なく、柿の色も、背景の空の青さも、スッキリとした確かにいい発色だと思う。
ちょっと露出がオーバーになってしまったが、無理矢理開放にして前ボケを作ってみた。この印象からすると、後ボケよりいいかもしれない。一段絞ってF2.8くらいで撮ると、もっと自然な感じが出るかもしれない。
F5.6くらいだったと思う。ライティングが極端なのだがこの時期の色を反映して、赤も緑もよく出ていると思う。右側の緑で判るように特に夕日で赤くなっている訳ではない。縮小前の画像で見ると、解像度も申し分ないレベルだった。光源が少しでも画角に近づくと、すぐにフレアが立つ。この時期の太陽は横からの日差しなので、より顕著な感じがした。
絞りはF4くらいだったと思うが、青だけでなく赤の発色もなかなかのもの。画面下の暗部の溶け具合も悪くない。今日の「秋探し」のベスト・ショットではないだろうか。
毎年のことだが、何回訪れても撮影ポイントはいつも同じ。違ったポイントも探したいが、それがなかなか見つからない。
かなり暗めだが、陽の当らない斜面に咲いていた寒椿。濃い緑の葉と、その中に浮かぶように咲く花が何とも言えない。このレンズは晴天よりも、少し曇天の方が本来の描写力を発揮するのかもしれない。
絞りはF2.8からF8がお薦め。逆光には弱いが、総じて「いいレンズだ」と思う。
紅葉はここの所毎年撮っているが、数年前の紅葉は本当に素晴らしかった。あまり枝が張ると公園内が陰気になり、それも困るのだが、あれから木々は枝打ちなどで様子も変わってしまい、今は我慢の時かもしれない。眼鏡橋の袂にある銀杏の巨木も毎年盛大に金色の葉で輝き、池のシンボルだったのだが、全ての枝が打ち払われて、今はただの棒が立っているのみである。
「見事な紅葉」だった時、カメラはM645 1000Sでフィルム撮りだったのだが、久々のフィルム装填で裏表を間違えてしまい、結局何も写ってなかったというアホな話し。だから、その「見事な紅葉」は記憶の中にあるきりである。かなり気合を入れて真面目に撮っただけに、その期待は大きかったのだが、この落胆は極めて甚だしかったのを思い出す。
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