今回の都内でのエントリーは46軒。
その中身をチェックするとかなりレベルが高く、さすが東京といった感じだ。
又、内容もバラエティーに富んでいるのも特色だ。
内容を精査すると1、2位のフレンチ競争はすごく、最後は好みの差だ。
街の食堂、ラーメン店クラスも味のある店がある。
今回11位以下にも気に入った良い店が多くあった。
第1位 「Chez Inno (シェ・イノ)」
~番外編178~ (2018-1-8付)
「Chez Inno」さんは京橋の玄関の前に立っただけでフレンチの風が伝わってくる。
アールヌーヴォー庇と門は、ここはパリでは?と一瞬錯覚させる品位がある。
ここは日本のフレンチの歴史に名を残す名店。
巨匠・井上旭シェフがフランスで苦労して会得したフレンチの数々が素敵な感動をくれる。
特にものすごいのがソース。
まろやかで複雑で奥深く、しかもコクがあり全体が一体となっている。
正統派のフランス料理の神髄がここにある。
そして食器の方も料理に負けず劣らず素晴らしい。
訪問した日は井上巨匠本人と一緒に飲む機会を得たのも特別な印象となった。
もう一度行って仔牛のパイ包み焼マリアカラス風を食してみたい。
第2位 「レストラン ひらまつ」
~番外編307~ (2020-8-29付)
こちらのフレンチレストランは行ってから日が経っていないだけに印象が鮮明に残っている。
創業者の平松宏之グランドシェフは事業意欲がすごく、東証一部上場の店(会社)までにした凄腕の逸材だ。
この事業分野ではすごく稀な事ではないか。
「ひらまつ」のこだわりはホスピタリティ、満ちたサービス、そして空間。
又、食材へのこだわりは大変なもので、この良さを引き出す技術は素晴らしい。
第1位の「シェ・イノ」を意識して敢えて辛口に言えば全体的にまとめる方向に力が行き、
無限の広がりにブレーキをかけているような気がする。
しかし素晴らしいフレンチにはまちがいなく、好みの差で第2位にさせていただいた。
第3位 「とうふ屋 うかい」
~番外編221~ (2018-11-14付)
東京タワーのたもと、近代的な都心のど真ん中で日本人の心に伝わってくる和の心、
江戸の風情が息づき、日本の粋がここにはある。
当店の本社は歌手・井沢八郎が起こした八王子にある。
企業基本理念は「利は人の喜びの陰にあり」で、店舗理念は「100年続く店づくり」だそうだ。
100年企業の当社としても学ぶべき所がある。
四季折々の食材と当店の看板料理の豆腐を使用した懐石料理を非日常の世界でゆっくり楽しめる。
都心にもかかわらず広大な敷地の中で深いやすらぎの和の時に浸れるここは
和のワンダーランド、なんと贅沢なことだろう。
第4位 「帝国ホテル インペリアル バイキング サール」
~番外編160~ (2017-8-1付)
当店はバイキング発祥の地として歴史的なレストランだ。
昭和38年8月1日、伝説のシェフ・村上信夫(第11代料理長)が
ヨーロッパからこのビュッフェスタイルを持ち込んだ。
このシステムのネーミングを社内公募したところ、食のスタイルの豪快さからバイキングと命名された。
こちらは帝国ホテルの本格的な味が40種類も選べて、グルメ派の方は超満足。
やはり帝国ホテルのバイキングはブランドのプライドもあってちょっとレベルが違う。
バイキングの難点は盛り合せになるため、美しさに欠けてしまう所かな。
今、コロナ禍でこのスタイルは至る所で停止しているがどうなっているのだろう?
残念ながら美食をドクターから止められている身としてはここは遠くなってしまった。
元気な時にもっと行っておけば良かったと後悔している。
第5位 「御座敷天ぷら 三ッ田」
~番外編233~ (2019-2-2付)
一度は行ってみたい憧れの御座敷天ぷら。
ここは2009年ミシュランで1つ星を獲得した老舗の店だ。
江戸情緒溢れる贅沢な空間で板前さんと会話を楽しみながら揚げたての江戸前天ぷらが味わえる。
板前さんとの会話で天ぷら料理の繊細な奥深さを知ることができる。
個室で天ぷらを揚げる音、香りを堪能しながらその時間にじっくり浸れる幸せさ。
これが御座敷天ぷらの素晴らしさだ。
サクサクの天ぷらを多くの店でいただいたが、
三ッ田さんの名物料理「天バラ」は特に最高の絶品料理だった。
第6位 「シンガポール シーフード リパブリック 銀座」
~番外編165~ (2017-9-12付)
やはり東京は国際都市だということを改めてこの店は教えてくれる。
以前シンガポールで偶然入った店(ジャンボ)、しかも旨いナーと
大勢で盛り上がったその味が都内でまた味わえた。
しかもそれ以外の店の味も。
当店は4つのブランドが1つのレストランに結集し、
アジアンエスニック最大のシンガポール料理が楽しめるシーフードレストランだ。
その中でもシンガポール政府一押しの名物料理「チリクラブ」が最高だ。
このマットクラブの各種料理を食べたいなら、わざわざシンガポールに行かなくても
この店で本場シンガポール以上のグルメ体験ができます。
第7位 「巣鴨 ときわ食堂」
~番外編300~ (2020-3-13付)
世界のシンガポールの次は、おばあちゃんの街・巣鴨。
この落差が独断と偏見の旨い店ベスト10の楽しさ。
勝手に楽しんで申し訳ございません。
○○食堂という店名で旨さが期待できる店は本当に稀な事だ。
しかしここは例外中の例外。
このイメージギャップが深入りにさせられる。
「ときわ食堂」さんは定食屋の4つ星レストランといった感じだ。
また、来ている客の質が良く、味がある。
昼間から一杯ひっかけているのが絵に成る街が巣鴨だ。
ときわ食堂は他に2店あるそうなので機会あれば、昭和のにおいを嗅ぎに是非訪問したい。
第8位 「かおたんラーメン えんとつ屋 南青山店」
~番外編249~ (2019-4-24付)
この店を第8位にランキングさせたのは完全に自分の独断と偏見。
以前どこかの店でも書いたが、外観はボロでも食の味は錦。
どうも根性の曲がった評価だ。
この建物も戦後の闇市がピッタリ。
この近代化した東京の真ん中で一軒だけポツンとある掘っ立て小屋。
それが逆にすごく存在感を増して光って見える。
そうそう、肝心のラーメンの味は、このボロ小屋に反して感動するほど美味しいラーメンでした。
ビールのつまみのメンマ盛り、味付けモヤシも単純な料理なのにコクがあって旨いんだナー。
このギャップがいいんですよネー。
俺はへそ曲がりか?
第9位 「T・Y・HARBOR(天王洲)」
~番外編256~ (2019-5-28付)
ここは第8位の「かおたんラーメン えんとつ屋」とは逆で、時代の先端を売りにしている
アメリカ西海岸をモデルにした今、話題の一軒家レストランだ。
天王洲地域のランドマークになっている「T・Y・HARBOR」は海の見えるお洒落なロケーション。
ここは若い世代向きで我々高齢者層にはちょっと威圧感を感じる。
この日も人気沸騰で350席がほぼ満席状態。
来ている若者のファッションもお洒落で、ここは日本ではないみたいだ。
どちらかというと「T・Y・HARBOR」は食の味をグルメする所ではなく、雰囲気、空気を楽しむ所かも。
ここは旨い店より建物カテゴリーが合っているかも。
第10位 「シーフードレストラン メヒコ 浅草店」
~番外編235~ (2019-2-9付)
メヒコのカニピラフにスミダマンがハマっているのは
「ほのぼの奮戦記」の愛読者ならご承知のことと思います。
福島県内のお店は2軒ブログアップしましたが、その味が都内で、
しかも2店舗で味わえるという嬉しさが最後尾にランキングさせました。
メヒコの詳細については番外編219(2018年10月29日付ブログ)に書きましたので是非ご覧になって下さい。
本場福島にはなかなか簡単に行くことはできませんが、
浅草には行く機会があるのでついでに行くことはできます。
しかし、メヒコのピラフは味付けの塩分がかなり効いているので、
塩分を控えめにしなければならない自分としてはちょっと足が遠くなったかな?
今回はベスト10選出の店以外にも多くの名店があって迷わされた。
ブランド力がある店として新築になった「パレスホテル」、天ぷらの「天国」、
中華の「維新號」、築地の日本料理「田村」、蕎麦の超老舗「砂場」、
うなぎ割烹の名店「大江戸」、神楽坂の「鳥茶屋」等々。
又、隠れた名店、月島のもんじゃ「もん吉」、札幌らーめん「北の大地」、
西東京のラーメン「くれは」、ラーメンの激戦区・池袋の味噌ラーメン店「花田」等々。
ベスト10を選ぶのに悩まされながらも楽しい時を過ごすことができました。