4.100分de名著 安部公房
『砂の女』第4回 「自由」のまやかしを見破れ!
もはや外界に出ることを諦めたかにみえる仁木は、ある作業の虜になる。
鴉をつかまえるための罠づくりだ。だが、その仕掛けは、全く予想もしない機能をもつに至る。
常に水が不足する穴の底にあって蒸留水を溜める装置として使えることがわかったのだ。
そんな折、女が子宮外妊娠していることが発覚、緊急入院のため女は外へ運び出されることに。
どさくさの中で縄梯子はかけられたまま放置された。逃亡する最大のチャンスだったが、仁木は外へ出ようとはしなかった。
果たして仁木の選択の意味とは何だったのか? そして完全に現実社会から失踪した仁木は、果たして「自由」を得たといえるのか?
第四回は、仁木の創造行為や最後の選択の意味を問うことを通して、私たちにとっての「自由」の意味をあらためて考察する。
タイトルバック ~映画「裸の島」より~ "Naked Island"
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