図書館へ行こう!

 本は私の人生の友・・・

「ゆきてかへらぬ」

2025年02月27日 | 映画

 

大正時代の京都と東京を舞台に、実在した女優・長谷川泰子と詩人・中原中也、文芸評論家・小林秀雄という男女3人の愛と青春を描いています。

大正時代の京都。20歳の新進女優・長谷川泰子は、17歳の学生・中原中也と出会う。

どこか虚勢を張る2人は互いにひかれあい、一緒に暮らしはじめる。

やがて東京に引越した2人の家を、小林秀雄が訪れる。

小林は詩人としての中也の才能を誰よりも認めており、中也も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。

中也と小林の仲むつまじい様子を目の当たりにした泰子は、才気あふれる創作者たる彼らに置いてけぼりにされたような寂しさを感じる。

やがて小林も泰子の魅力と女優としての才能に気づき、後戻りできない複雑で歪な三角関係が始まる。

広瀬すずが長谷川泰子、木戸大聖が中原中也、岡田将生が小林秀雄を演じ、監督は根岸吉太郎です。

広瀬さん、木戸さん、岡田さん、3人共に熱演されていて、大正時代の雰囲気も感じられ、

人間は悲しい存在だなぁと思いましたが、とても良かったです。

立川キノシネマで観てきました。

 

(我が家の庭で咲いている沈丁花)


「猫の刻参り」

2025年02月25日 | 

〜三島屋変調百物語拾之続〜

著者 宮部みゆき

 

江戸は神田三島町にある三島屋の次男坊富次郎は、変わり百物語の二代目聞き手。

飼い主の恨みを晴らす化け猫(「猫の刻参り」)、命懸けで悪党壊滅に挑む河童(「甲羅の伊達」)、

懺悔を泣き叫ぶ山姥が登場する数奇な身の上話(「百本包丁」)を聞き捨て、一話ごとに墨絵にしている。

一方、兄・伊一郎の縁談を巡って、三島屋は大騒動に巻き込まれてしまう……。

 

>どうぞ心を ほどいて語ってください。語って語り捨て、聞いて聞き捨てのお約束をいたします。

あなた様は名乗る必要がなく、語りのなかに出てくる場所や人の名前も伏せておいてかまいません。

仮名(かりな)が要る場合はお好きなようにつけてくださってかまいません。

 

いつも新刊を楽しみに待っています……

今回も読んでいて時々涙が出ましたが、とても良かったです💕

 

 

 

 

(裏表紙の一部分)

 


「聖なるイチジクの種」

2025年02月23日 | 映画

ドイツ・フランス・イラン合作映画(立川キノシネマで観ました)

 

テヘランで妻や2人の娘と暮らすイマンは20年にわたる勤勉さと愛国心を評価され、念願だった予審判事に昇進する。

しかし仕事の内容は、反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を下すための国家の下働きだった。

報復の危険があるため家族を守る護身用の銃が国から支給されるが、ある日、家庭内でその銃が消えてしまう。

当初はイマンの不始末による紛失と思われたが、次第に妻ナジメ、長女レズワン、次女サナの3人に疑惑の目が向けられるように。

捜索が進むにつれて家族でさえ知らなかったそれぞれの顔が浮かびあがり、事態は思わぬ方向へと狂いはじめる。

 

モハマド・ラスロフ監督はイラン政府を批判したとして有罪判決を受け、自国を脱出して

政府への抗議運動が加熱するイランを舞台にした映画を出品……

2024年・第77回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞しました。

 

王将戦第二局・勝者罰ゲーム……伏見稲荷大社の「千本鳥居」をペンキ塗りするポーズの藤井さん😀

先日の第四局は永瀬拓矢さんに負けてしまい、3勝1敗となりました(T_T)

あと1勝で王将戦タイトル防衛です……ガンバ !!

昨日は棋王戦第二局があり藤井さんが勝利して、こちらも王手となりました🙂


「C 線上のアリア」

2025年02月21日 | 

著者 湊かなえ

 

中学生の時に両親を事故で亡くした美佐は、その後、叔母の弥生に育てられる。

それから約20年、何不自由なく面倒をみてくれた叔母に認知症の症状が見られると役場から連絡があり、高校時代を過ごした懐かしい場所を訪れる。

しかし、美しく丁寧に暮らしていた家は荒れ果て、玄関前には新聞がバリケードのように積み重なっていた。

ショックを受けながらも片づけを進めると、鍵のかかった金庫が見つかる……

女性に負担がかかりがちな介護を軸に、幸せに生きるために抑圧されていた感情が浮き彫りになる。

 

>祝う気持ちに、子どもがいないから、未婚だからは関係ない。

自分の心に余裕があるかどうか、だ。 幸せは、他人と比べるものではない。

 

>風邪を引けば病院に行く。髪が伸びれば美容院に行く。昔は家で行われていたことも、

現在では、専門家に任せるのが当たり前になっているのに、どうして、育児や介護は、

家庭内で主婦が請け負うことだと、多くの人に認識されたままなのだろう。

CARE(介護)とCHAIN(絆という束縛)は同一線上にあれど、同一のCODE(体系)ではない。

 

河津桜が少し咲き始めました🌸


「世界は終わらない」

2025年02月19日 | 

著者 益田ミリ

 

書店員の土田新二・32歳は、後輩から「出世したところで給料、変わんないッスよ」と突っ込まれながらも、今日もコツコツ働く。

どうやったら絵本コーナーが充実するかな?  無人島に持って行く一冊って?

1Kの自宅と職場を満員電車で行き来しながら、仕事、結婚、将来、一回きりの人生の幸せについて考えを巡らせる。

 

 

先日の新聞の人生案内より(ネガティブ思考を改善したいという20代後半の会社員女性に対する、哲学者・小川仁志さんの回答後半)……

フランスの哲学者パスカルは、人生は死ぬまでの暇つぶしだといっています。まさにその通りだと思います。

私たちが生まれてきたのは偶然にすぎません。いつか死ぬのも偶然なのです。

その偶然と偶然の はざまで、私たちは自ら生を手にしたのではなく、ただ それを与えられただけなのです。

だから与えられた生を好きなように生きればいいのです。人生を気楽に捉えていただけることを祈っています。

 


「 正 体 」

2025年02月17日 | 映画

主演 横浜流星

 

日本中を震撼させた凶悪な殺人事件を起こして逮捕され、死刑判決を受けた鏑木慶一が脱走した。

鏑木を追う刑事の又貫征吾は、逃走を続ける鏑木が潜伏先で出会った人々を取り調べる。

しかし彼らが語る鏑木は、それぞれがまったく別人のような人物像だった。

さまざまな場所で潜伏生活を送り、姿や顔を変えながら、間一髪の逃走を繰り返す鏑木。

やがて彼が必死に逃亡を続ける真の目的が明らかになり……。

原作は、染井為人の同名小説です。

 

Netflixを しばらくぶりに覗いてみたら、観たい作品が沢山ありました。

松山ケンイチと長澤まさみが初共演し、2023年に上映された「ロストケア」(喪失の介護)……

"人にしてもらいたいと思うことは何でも あなたがたも人にしなさい“(キリストの言葉)が印象的でした。

ストックホルム警察の警官ハンナが主人公の「オーレ殺人事件」(5エピソード)も  とても面白かったです💛

 


「喪服の似合う少女」

2025年02月15日 | 

著者 陸秋槎(りくしゅうさ)   訳者 大久保洋子 

 

女性私立探偵・劉雅弦の元へやってきた女学生・葛令儀。

彼女は劉に、友人の岑樹萱を見つけてほしいと依頼する。

劉は調査を始めるが、岑樹萱を深く知っている者は一人もいなかった。

さらに劉は調査の中で死体を見つけ、殺人容疑で警察に逮捕されてしまう……。

 

まさに本格ハードボイルド小説で、とても面白かったです ☆☆☆☆☆

著者は中華人民共和国の男性推理作家で、現在は日本の金沢市在住だそうです。

 


「楽園の楽園」

2025年02月13日 | 

著者 伊坂幸太郎

 

所在不明の人工知能〈天軸〉の暴走で、世界が混乱に陥る近未来。

開発者が遺した絵画〈楽園〉を手掛かりに五十九彦、三瑚嬢、蝶八隗の選ばれし三人は、

〈天軸〉の在処を探す旅に出る……。

 

>悲しみは悲しみとして、後悔は後悔として切り離していいのです。

感情は ごちゃまぜにしないほうがいいのは確か。

 

>人間の脳は、どんなものにも意味があると思い込んでいる。

だからこそ、脳が発達したんだと思うよ。

とりわけ、理不尽な目に遭った時に、理由を欲しがって、勝手にストーリーを でっち上げることまで やっちゃうんだから。

結果には理由があるはずだ、物語(ストーリー)があるはずだ、って信じてる。

 

>人工的な知能(AI)ではなく、自然の知能(NI)だからです。

この森で、自然の植物や生き物が組み合わさって、ネットワークを作り、巨大な知能となっているんです。

その知能が目的を達成するために、植物や生き物に指示を出していたんですよ。

 

>終わるのは、ヒトの世界だよ。ヒト以外にとっての世界は終わらない。

わたしたちヒトが、ヒトが世界のすべてだと思い込んでいるだけ。

 

三瑚嬢(さんごじょう) 五十九彦(ごじゅくひこ) 蝶八隗(ちょうはっかい)

 

散歩の途中 高幡不動尊に寄ったら、植木屋さんの お店番の高齢女性と話が はずみ、

値引きも してくれたので「紅梅・大盃(オオサカズキ)」を購入して、さっそく植えました……


「見えなくても王手」

2025年02月11日 | 

著者 佐川光晴

 

がんばれよ。もっと、もっと強くなれ……

盲学校に通う小学4年生の及川正彦は、新任の先生から将棋を教わり、その面白さにすっかり のめりこみます。

目の見えない人でも楽しめる将棋盤と駒を使って同級生と対戦、寄宿舎の自室では詰将棋に熱中する日々。

そんな正彦の変化を、家族はあたたかく見守りますが……。

将棋ペンクラブ大賞文芸部門優秀賞を受賞、入試にも頻出している「駒音高く」の姉妹編。

私は、「駒音高く」は 2021年2月に読んでました。

藤井聡太さん登場で将棋のファンが増え、私も そうですが、将棋をテーマにした小説を もっと読みたいです。

 


「リアル・ペイン 〜心の旅〜」

2025年02月09日 | 映画

 

ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッドと、兄弟のように育った従兄弟ベンジー。

現在は疎遠になっている2人は、亡くなった最愛の祖母の遺言によって数年ぶりに再会し、ポーランドのツアー旅行に参加することに。

正反対な性格のデヴィッドとベンジーは時に騒動を起こしながらも、同じツアーに参加した個性的な人たちとの交流や、

家族のルーツであるポーランドの地を巡るなかで、40代を迎えた自身の生きづらさに向きあう力を見いだしていく。

 

時に軽やかに、時には荘厳に、全編を彩るのはポーランド出身のピアノの詩人、ショパンの名曲の数々。

美しい景観が内包する影の歴史、人の笑顔の裏側にある“リアル・ペイン(本当の痛み)”とは……。