僧侶である父親から金閣寺ほどうつくしいものはないと 聞かされて育った
溝口は吃音のコンプレックスを抱え人とうまく関係が築けないのですが
青年になるとその金閣寺で修行生活を送ることになります
吃音の溝口の唯一の心の支えは金閣寺でした
でもしかし いつしか溝口は金閣寺の美しさに重圧を感じるようになり
また現実の金閣寺と溝口の心の中にある金閣寺の落差に苦しむようになります・・・
やがて大東亜戦争が激化
溝口は自分も彼の心の支えになっている金閣寺も空襲で滅びるかもしれないと予感し
美の象徴と自分との一体感のようなものを感じます
しかし 溝口も金閣寺も無事な儘 終戦
悲劇的な美の中で滅べなかったことに絶望した溝口は
自分の中の幻想を守るため そして、自分の半生にとらわれ続けていた美の象徴と決別するために
金閣寺に火を放ちます・・
深く愛するがゆえにそれを邪魔なものに感じ
破壊してしまいたくなること。
愛する対象の現実の姿と自分の中の理想とのギャップに苦しむこと
金閣寺:三島由紀夫
追記
金閣寺は1950年に実際に放火事件が起きています
その犯人も吃音だったこともあり それも三島が少しオコシタのかもしれません
僕は三島の作品は殆ど読んだことありませんが
読んだ中では レター教室が面白いと思います・