明日は檜になろう
明日は檜になろう
一生考えてる木よ
でも 永久に檜になれない
それで"あすなろう"というのよ
概要
12月中旬の天木山麓 13歳の鮎太は心中事件の現場を見るために雪山を
歩き杉木立のなかに二人の男女が半分雪に埋もれて倒れているのを発見
女性は鮎太の祖母の身内で祖母の家に鮎太とともに暮らしている19歳の冴子
男性は鮎太と面識のある大学生の加島でした・・
死体の近くには"あすなろう"の老樹が生えていたのをみつけた鮎太は
いつか冴子が鮎太に話したことを思い出します
この直後 「人間はなりたい自分にはなれない」と考えるのでした
あらすじ
梶鮎太の幼年期から、壮年期までの成長を6つのパートに分けて書いた青春小説
幼年期に天木山麓にある祖母の家に預けられた鮎太は中学校時代は神童と呼ばれていました
が徐々に普通の少年になっていきますやがて多感な高校・大学時代を経て、鮎太はある新聞社に入社
他者のライバル記者と競いながら人間的に成長しますが
大東亜戦争が勃発します
鮎太とかかわりのある人々のうち或る者は戦死
あるものは病死していきます・・
鮎太は戦時中に結婚しますが生きる目的を見出せない儘
終戦を迎えるのでした
あすなろ物語:井上靖