杉浦茂

バングラッシー

　かって自分が弄んで捨てた男
基督教の神父の男大津を探して、
インドツアーに参加した美津子
ヒンズー教の聖地バラナシで再開をはたした大津は
死体を焼き場に運び火葬して河に流す仕事についていました
大津と別れたあと美津子は
ガンジス河の沐浴場で沐浴を体験し
今の自分が何を求めていたのか理解し始めます

　信じられるのは
　それぞれのヒトが
　それぞれの辛さを背負って
　深い河で祈っているこの光景です

この河とは目の前のガンジス河のみならず
「人の河」という意味も含まれています
独白は「人間の深い河の苦しみ　その中にわたしもまじっています」と続き
彼女なりの「悟りの境地」をさします


この作品の概要

　亡くなった妻の転生を確かめたい磯野
　命を救ってくれた九官鳥に礼をしたい沼田
　安らかな死を迎えるために戦友を弔みたい木口
　学生時代に棄てた男に再開をねがう美津子

インドツアーに参加した4人は
目的は違ってもそれぞれに
複雑な過去がありました

彼らは遺灰や動物の死骸を運ぶ聖なるガンジス河をみて
ある者は自分なりの生きる意味
ある者は愛のありかたを知り
宗教の持つ魂の救済の力をつかんでゆくのでした・・

　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　深い河：遠藤周作

花柳界に身をゆだねたファーファ

　アタシの詩ノできたできないは
　玄人にもわからない
　ほんのかすかなものだのに
　どうしてあなたにわかるかしら？
　あんたいったいどんな素性なの


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　流れる：幸田文