ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

Y君の涙・4

2016-12-01 | アスペルガー児 Y君

(続き)  

「ヨウ君ごめんね。
ららみ先生はいつも、『優しい音で弾いてね』って言っているのに、
今日に限って、『元気な音を出してね』って言われたから、
ヨウ君はビックリしちゃったんだよね。」

と私が言うと、ヨウ君は、少し安心したお顔で頷きました。

 

「普段の練習の時は、
『優しい音で練習してね』って指導しているのだけど、
今日のレッスンでは、
発表会に向けて、ちょっと芸術的な演出をしようと思ったの。

ちゃんと、その事を説明すればよかったのに、
いきなり『強く弾いてね』と言ってごめんなさい。」

ヨウ君は、私の説明を聞いて、納得したようでした。

 

次の日、私はお母様に電話をして、レッスンの様子を話し、謝りました。

「実はヨウはアスペルガーなのです。
なので、何時もと違うことを言われると、混乱してしまうのです。」
と仰いました。

ヨウ君とテツ君の兄弟を紹介してくださった方から、
2人共ADHDだとは伺っていたのですが、
ヨウ君がアスペルガーだったとは知りませんでした。

アスペルガーのお子さんは、何人も指導したことがあり、
その特徴は把握していたつもりでした。

ですが、ヨウ君がアスペルガーとは思いもしなかったのです。

 

当たり前のことですが、アスペルガー症候群も千差万別です。

一見したところ、そうは見えないヨウ君に対して、
私は配慮が足りなかったのだと思いました。

そして、ご兄弟のレッスンをお引き受けする前に、
もっと深く、お母様にお話を伺うべきだった、と後悔しました。

まだまだ勉強が足りないな~と、大いに反省した出来事でした。

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