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薪ストーブの横で地酒

2014-04-27 22:17:53 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 ゴレパニに入ると、道の両側にGH(ゲストハウス)が連なっていました。

 

 しかし目の前には登り勾配の道が続いています。

 

 ゴレパニは峠のはずですから、景色を楽しめるGHを選ぼうと、更にもう20分程も登り続けました。

 

 

 峠の分水嶺に到着すると、峠を東西を分かつ場所に小さなストゥーパが置かれていました。

 

 その横に、英語でベーカリーやブックショップと表示された店が並んでいました。

 

 

 村のあちらこちらに残る雪が、ゴレパニの気象状況を説明しています。

 

 

 村の中でうろうろしていると、誰かが「この先にダウラギリの見えるGHがあるよ」と教えてくれました。

 

 そして午後3時少し前、西向きの斜面に建つGHにチェックインすることができました。

 

 希望通り、西側に窓を開けた部屋を確保することができました。

 

 

 

 部屋に荷を置くと、村の散策に出かけました。

 

 まず最初に、明日の朝、暗い時間から登り始める予定のプーンヒルへのルートを確認しました。

 

 「プーンヒルへ至る」の標識を見付けたので、様子見がてら登ってみました。

 

 

 西の空に雲が広がり、ダウララギリ8167mであろうピークは見えていません。

 

 

 北へ目を向けると、アンナプルナ・サウス7219mも雲に覆われていました。

 

 

 村の中に、一部を赤く染めた木が見えたので、近づいて行きます。

 

 見上げるほどの巨木シャクナゲが、僅かに赤い花を咲かせていました。

 

 

 

 GHへ戻り、ダイニングルームを覗くと、ダウラギリへ向けて窓が広がっていました

 

 

 私は窓辺の席に座って、テーブルに地図を広げました。

 

 

 明日のルートを目で追いながら、地図を読み、入念に地形を確認してゆきます。

 

 

 今居るゴレパニまでのルートで判断に迷うことはありませんでした。

 

 前後に絶えず人の気配があり、不安を感じることはありませんでした。

 

 しかし山では、一度の失敗が取り返しの付かない事態を招きます。

 

 村と村を繋ぐ街道を歩くような感覚のトレッキングですが、気を抜くことはできません。

 

 山の怖さを十分に知っていますから、安全が第一です。

 

 

 GHで夕食のオーダー取りが始まりました。

 

 

  

  昼にカレーを食べたことも忘れて、夕食もカレーを注文しました。

 

 

 カレーに付いてきた大盛りのライスはそのまま受け取りました。

 

 普段食べる量の3~4倍はありそうですが、気温が下がってきましたからカロリー消費が増えるはずです、量を食べなければ歩けなくなる可能性があります。

 

 

 食事を終えて外が黄昏るころ、ダイニングルームの薪ストーブに火が入りました。

 

 

 ストーブ横の暖かな席を確保し、私は先程のメニューに見た、ローカル・ロクシー(Local Raksi)なるものを注文しました。

 

 

 旅先でローカルと云う言葉は、一期一会と同じ意味ですから、逆らいきれぬ響きがあります。

 

 

 癖のない、さっぱりした味の焼酎が温められたカップとともに出てきました。

 

 ロクシーは店毎に味が違うらしいのです。

 

 

 そして、この夜から私は、夕食後にロクシーの味を確認する作業が日課となりました。

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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ヒマラヤトレッキング 花の旅 index 1

 

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雪消え残る場所へ

2014-04-27 16:03:27 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 ナンゲタンティの優雅な昼休みを終えて、再び登り始めました。

 

 山では標高が100m上がる毎に、気温が0.65℃下がります。

 

 現在地は既に2400mを越えましたので、汗ばむようなポカラよりも10℃以上気温が低いずです。

 

 ぽかぽかと陽が降り注ぐ初夏の高原を歩くようなトレッキングになってきました。

 

 

 木陰の日溜まりにプリムラ・デンティクラータ(Primula denticulata)を見かけました。

 

 デンティクラータとは「小さな歯」と云う意味ですが、葉の縁が鋸歯状であることに由来します。

 

  

 プリムラ・デンティクラータ

 

 タンポポが咲いていました。

 

 日本中に広まったセイヨウタンポポは総苞片が反り返りますので、在来種と見分ける判断材料となります。

 

 ネパールでもその方法は有効なのでしょうか。

 

 

    Taraxacum sp             総苞片が反り返っている

 

 シャクナゲの林は根元が明るく開け、よく見通しが利きます。

 

 

 雨期と乾季だけのネパールは、樹高の高い位置でシャクナゲの葉が陽光を遮ると、根元に他の植物が育ち難いのかもしれません。

 

 そんな林の縁で、梢から漏れる落ちる光りを集め、ジンチョウゲの仲間「Daphne bholua」が桃紫色の花を咲かせていました。

 

 この植物も、前にご紹介したダフネ・パピラセアと共に、ネパールでは和紙の原料として利用されるようです。

 

  

ダフネ・ボウルア

 

 シャクナゲの森の中に道が続いていました。

 

 幹周に、大人が3~4人も手を繋ぐ程の巨木を見かけました。

 

 

 

 岩陰から流れ出る清水に管が設えられていました。

 

 この辺りであれば、湧水を口にしても腹を壊すような心配はなさそうです。

 

 

 山道の所々に、荷を置いて休息をとる石積み(チョータラ)を見かけました。

 

 こんな所で休んでいると、必ずポーターが笑顔で挨拶の声を掛けてくれるのです。

 

 

 更に歩を進めると、岩陰に白い雪が消え残っていました。

 

 

 昨日の昼は、ティルケドゥンガで熱帯の花を見ていたのですが、

 

 何時の間にか、雪が消え残る程の高さに登って来たのです。

 

 

 今朝9時にウレリを出発し、標高差800m強の緩やかな山道を登り続け、5時間半程かけてゴレパニ村に到着しました。

 

 

  

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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