鶴岡の大山公園の駐車場で朝を迎えました。
今日も朝から、お天道様がギンギラギンと元気いっぱいです。
昨晩は車の中でビール片手に中華弁当を食べ終わると、そのまま意識を失うように、深い眠りに付きました。
目覚めた後、駐車場に併設されたトイレの洗面所で顔を洗い、身支度を整えてから公園の案内図を確認しました。
公園の中央に小高い丘があり、その横に二つの池があるようです。
丘の頂へと道が通じています。
その道を車が登って行けそうなので、まずは頂上へ行って、公園全体の様子を見ることにしました。
途中の池を俯瞰する場所でネムノキがピンク色の花を咲かせていました。
芭蕉が「象潟や雨に西施がねぶの花」と詠んだねぶの花がこのネムノキです。
背後に、周囲の峰々を映しこんだ下池が見えています。
丘の上から鶴岡市街が見渡せました。
丘の中腹に桜の木が葉を茂らせていました。
大山公園は戦国大名武藤氏の尾浦城址です。
江戸時代の農民一揆である大山騒動が、農民たちへ重罰が及ばすに終息したことを感謝して桜を植えたことから、桜の名所として親しまれるようになったそうです。
その後、荒廃していた公園が、昭和の初め、地元の酒造家・加藤嘉八郎有邦によって整備されて現在に至るそうです。
丘の上から眺望を楽しんだ後、下池に下ってハスの花を探しましたが、水が少ない池の中でスイレンが群を作るのみで、ハスの花は見えませんでした。
もしかすると、宮城県角田市の手代木沼のように、ハスは消滅してしまったかと懸念しながら、上池へ廻りました。
おぉ、 嬉しい!
民家の横に車を停めて、3m程の土手を登った先に、見事なハスのお花畑が広がっていました。
青い空の下に、濃い緑の稜線が伸びて、広がる池の一面をピンク色の花が覆い尽くしていました。
突然目の前に広がった問答無用の光景に、瞬時に胸が解き放たれるような感慨が全身へ広がります。
ほ~っと一息付いて、周囲を見渡すと、池の左手奥に駐車場らしきスペースが見えました。
2~300m程も車も進め、再度池の畔に立つと、数万のハスの花群れが、静かな朝の光の中で、時を止めているかのような世界を見せていました。
ありがたい。
数百キロもはしり来た甲斐があります。
今回の旅でも、青い蒼い空と森の広がる郷で、満ち足りた思いに浸ることができました。
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