竿燈祭りに感動したので、もう一つの東北三大祭り、青森ねぶたへと足を伸ばすことにしました。
青森ねぶたも初めてではありませんが、二度目の竿燈祭りが印象深かったので、青森ねぶたもきっと期待に応えてくれるはずです。
この日は、青森ねぶたの最終日でした。
最終日にはねぶたの海上運行と花火大会が見れれるはずです。
秋田から北上し、途中でハスの花を楽しみながら、夕方に青森に着くスケジュールを考えました。
懸念されるのは、数百万人もが集まる祭りの日に、車を停める場所が確保できるのでしょうか?
青森湾の地形を頭に浮かべ、青森市内を離れて、近隣の海岸に陣取れば、海上に上がる花火を見物できる筈と考えました。
最初から青森市内へは入らず、北寄りの、津軽半島の海岸線を探せば何とかなるだろうと考えました。
ナビに一応の目安として青森駅を入力すると、一般道を通って約185㎞、6時間30分と表示されました。多分ナビの計算程には掛からないでしょう。
途中で、青森県平川市の猿賀神社に寄ってハスを見るつもりです。
何処かで温泉を探して、汗を流すことができれば最高です。
秋田の北部に森吉山、田代岳という花の百名山があり、登山用の地図も用意したのですが、猛暑が収まる気配もないので、山登りはパスしました。
秋田市内を出て、国道7号線を北へはしり、五城目町から国道285号線に入りました。
交差点も信号もない、のどかな一本道をはしり続けます。
オーディオから今井美樹の小鳥の囀りのような声が聞こえていました。
「本当は誰もが願いを叶えたいの
だけどうまくゆいかない時もあるわ
希望のかけらを手のひらにあつめて
大きな喜びへと変えてゆこう」
うん、そうだねよね・・・
緑溢れる田舎道は気持を素直にしてくれます。
「信じていて欲しい あなたのことを」
そうそう、そうゆうこと。
シンプルな詞が心に滲みます。
鼻歌交じりにはしっていると、「合川町 翠雲公園あじさい園」の看板が目に入りました。
そうでした、ここもアジサイの名所としてリストしていたのですが、すっかり忘れていました。
全くもって偶然に、アジサイの名所を通りかかったのです。
花を巡る旅では、途中で虫食い穴のようにポツンと訪問先を残すと、再度訪れることは難しくなります。
アジサイが私を呼んでくれたのでしょうか。
こんなに北の地でも、流石にアジサイの最盛期は終わっていました。
それでも、かなりの広さの公園にアジサイが溢れんばかりに植えられています。
ベンチに寛ぐ町の方に、
「すごい数のアジサイですね! この公園はいつからですか?」と聞いてみました。
「もう30年近いね、今年はもう終わりかけているけど、花の盛りは見事なだよ」と教えてくれました。
町民の方達がボランティアでアジサイを育て、手入れをしているそうです。
アジサイの脇に寄付した人の名を記した小さな名札を目にしました。
20年、30年先の姿を脳裏に描き、町外れの公園に花を育てた人々の郷土愛と、その志を一つにまとめた、名も知らぬ人の思いがアジサイ林の奥に見えるような気がしました。
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