千秋公園の濠に、見事なハスの花が朝の光を浴びていました。
ハスの花は水のある場所に咲くことから、全国の城跡濠に数多くの花ハスの名所があります。
秋田の千秋公園は、1602年に秋田に移封された佐竹氏が築いた久保田城跡を、明治時代に公園として整備したものです。
昭和40年以降、濠にハス花を咲かせようとの計画が進み、現在は濠の半分をハス花が埋めるまでになっています。
私は今まで、秋田城址が千秋公園だと思い込んでいたのですが、今回の旅で秋田城跡と呼ばれるものは市内の別の場所にあることを初めて知りました。
今まで何度も秋田に来ていますが、花にしか目を向けていなかったのです。
このブログを書くようになって、花以外の幅広い事象を、今まで以上に丁寧に観察し記録するようになりました。
ブログを続けてこれたのは、そんな変化を成長と捉える喜びがあったからです。
千秋公園公園内にある佐竹史料館で、企画展「秋田藩で花開いた学問」が催されていたので入館することにしました。
9代藩主佐竹義和は藩校としての明徳館と数多くの分校を創設し、明徳館には医学館も作られ、薬園を整備したこと等が資料とともに説明されていました。
新潟県長岡藩の「俵百俵」の逸話や、米沢藩での上杉鷹山を想い出します。
日本では昔から、教育の重要性に気付き、子孫への投資を積み重ねてきました。
そのことが、日本のような資源の殆どない国が、平和と繁栄を享受し得た大きな要因なのだと思います。
これからも更に広い視野を持ち、子供達に算術ばかりでなく、歴史などの人文科学系の教育をも施し、人間の本質を悟る知恵を育むことが大切だろうと思います。
久保田城跡には、平成元年に再建された本丸新兵具隅櫓(御隅櫓)がありましたが、史料館で時間を使い過ぎたので、中へは入らずに千秋公園を後にしました。
千秋公園で予想外の時間を費やしましたが、何とか夕方までに秋田市内へ戻り、竿燈祭りを見物しようと考えていました。
昨日の下見で、車中泊できそうな場所を、郊外の数か所に目星を付けてあります。
県庁前の八橋運動公園に設けられる無料駐車場を利用すれば、時間を気にせずに竿燈祭りを見物できる筈です。
夕方まで、どうすれば時間を無駄なく費やせるかを考えました。
八郎潟干拓地の南の池公園でハス花を見た後、男鹿半島を巡ってくれば、ちょうど好い時間に戻れそうだと判断しました。
今回の旅に出る前、どんな状況にも対応できるよう、自分のホームページからハスやヒマワリ等の名所をプリントし、ファイリングしてきました。
携帯用のノートパソコンにも全てのデータを入れてありますので、気に入った場所で気ままに時間を費やしても、別のプランが準備できますので、旅が滞ることはありません。
八郎潟干拓地の大潟村南2丁目の南の池公園に、正午前に着くことができました。
公園の中に続く未舗装の道を車で進んで行くと、白い雲が浮かぶ空の下に、ピンク色の花ハスに飾られた、南の池が広がっていました。
何も考えず、何も思わず、ただ黙って夏の陽射しを浴びていました。
何もせず、惑いもせずに、ただ時間だけが流れ過ぎてゆきます。
こんな時間を過ごす為だけに、人生の旅を続けてきたのかもしれないと思う自分が、ハスの花を見続けていました。
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