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蒲田のツバキ

2017-09-15 16:21:50 | 氷見に椿古木を訪ねる

 

 東京を出て、4日目の朝を高岡市の河川敷で迎えました。

 

 前日の最後に訪ねた氷見市坪池から氷見市街へ戻るより高岡市街の方が近かったのです。


 そして、3日間ご無沙汰しているお風呂に入ろうと思いました。


 高岡市街で銭湯を探して汗を流した後、スーパーで割引価格の焼肉弁当や缶酎ハイを買い込み、小矢部川の河川敷に車を停めて車内で夕食を済ませ、寝袋に潜り込みました。


 翌日の朝早々に車の中で目を覚ますと、コンビニで朝食を購い、再び氷見市街を目指して走り始めました。


 最初に訪ねたのが氷見市蒲田の大ツバキです。


 民家脇の林の中を上ってゆきます。

 

 


 
 坂道の先に設けられた階段を上がると、幾つかの墓石を守るかのように3幹のツバキが枝を広げていました。 

 


 この場所に枝を広げる蒲田の大ツバキは、平成18年に氷見市天然記念物に指定されています。

 



 「3本の幹で最も太いものの幹周は2.2m、樹高11m、枝張りは東西13m、南北13mで3月中旬頃から赤と薄桃色の花を咲かせる」と解説にあります。

 

 

 

 蒲田の大ツバキの周囲に数多くのツバキが枝をひろげ、地に落ちた枯葉の上に紅色の花が散り広がっていました。

 


 

 蒲田の大ツバキの場所から少し下り、踏み分け道の途中から左へ数十メートルほども進むと所別の墓地、田口家奥都城に出ます。

 

 


 
 この墓地も、ツバキの古木が墓を守り、墓の周囲は数多くのツバキが足の踏み場もない程に、紅色の落ち椿が地を覆っていました。

 

 

 緋毛氈が広がる林で、梢の先に咲きほころぶ深紅の花が、舞妓のような微笑を見せてくれます。

 


 

 白い雪の中で寒さに耐え抜いたヒメアオキが、ルビーのように輝く果実を枝に飾っていました。

 



 蒲田の大ツバキとは一味異なる風情を漂わせた奥都城椿も、私の記憶の中に天然記念物並みの記憶を残してくれたのです。

 

 

 

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悠久の時を刻み続けるツバキ

2017-09-15 13:31:37 | 氷見に椿古木を訪ねる

 

 老谷の大ツバキを見終えて、時間を確認すると17時を過ぎていました。

 

 急いで老谷川に沿った道を下り、岩瀬で県道76号に入り、久目の紹光寺を訪ねました。


 紹光寺には目通し140㎝の古木があるはずです。


 しかし、大黒さんにお話しを伺うと、ツバキは2年前の平成25年に枯死したそうです。

 



 次に、久目の前田家を探しました。


 前田家は明治期まで造り酒屋をしていた旧家だそうですが、久目の集落をいくら探しても見つかりません。


 尋ねるべき人にも出会えなかったので、場所が分かる久目神社へ向かうことにしました。


 久目神社は2010年3月の旅で一度訪ねています。

 



 静かな境内に人影はなく、8年前に訪ねた時と変わらぬ様子で、ツバキが紅色の花を枝に飾っていました。
 

 

 

 久目神社から再び県道76号を岩瀬に戻り、行願時を訪ねました。


 本堂裏の丘に林が広がり、林の中に幾本ものツバキが花を咲かせていました。


 夕暮れ時の寂しさに包まれた林で、枝々に花を灯すツバキの風情が心に残りました。
 

 


 時計の針は既に18時を回っていましたが、もう一ヶ所欲張ることにしました。


 岩瀬から県道29号を南下し、坪池の集落を訪ねました。


 坪池では宝住家墓地と巻家墓地が目当てでしたが、宝住家墓地を探し出すことはできませんでした。


 しかし坪池の集落から、更に山の奥へ農道を進んだ先の、巻家墓地のツバキが見事でした。

 



 車一台がやっと通れる程の細道の右手に、こんもり茂るツバキは23本が株立ち状になっています。


 ツバキの下に数多くの石塔が並び、青磁の花立てに菊の花が供えられていました。

 



 道路際に三本の檜が並び、法面を守っています。

 



 墓の後ろへ回ると、大きな斜度を伴って、下の耕作地へ落ち込んでいました。

 



 花を見ると花糸が低い位置で分れますので、ユキツバキの血が混じっているのでしょうか。

 



 既に18時半に近く、周囲は薄暗くなり始めていました。


 どこか遠くの谷底から、人の息吹を感じさせる車の走行音がかすかに聞こえてきました。


 人里を離れ、風のそよぎのない丘の上に夜が忍び寄ります。


 悠久の時を刻み続けてきたツバキが今、闇の中の眠りに付こうとしていました。

 

 

 

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