3月3日
今日一日、レンタサイクルでカトナンドゥ( カトマンズ )とその周辺を走り廻ってきました。
トレッキングに必要なTIMSとACAP許可書を入手することができました。
カトマンドゥ盆地を見渡すスワヤンブナートで至福のひと時を過ごしました。
ネパールの古都、パタンでは「わが町」を熱心に説明してくれる若者に出会えました。
ネパールに来て3日目、全く初めて足を踏んだ国の旅のスタートとしては上出来ではありませんか。
自転車でパタンからカトマンドゥへ戻って来ると、ATMの電光掲示板に、時刻5:06、温度18℃と表示されていました。
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貸自転車屋の営業時間内に自転車を返し、GH(ゲストハウス)へ戻ると真っ先にシャワーを浴びました。
晴天に恵まれ、陽射しも強かったので、かなりの汗をかきました。
私が借りた部屋にはシャワーとトイレがないので、GHの共有シャワーを使います。
カトマンドゥでは頻繁に停電があります。
停電でも、自家発電で最小限の灯りは点くのですが、電気が使える時間帯にシャワーを浴びる方が便利です。
日本では、朝でも晩でも、ボタン一つでバスタブにお湯が溜まりますが、それがどれ程贅沢なことか、ネパールに来ると、身に染みて理解します。
日本では当たり前でも、世界平均で考えれば、非常に贅沢なことが多々ありそうです。
シャワーを浴びながら、マリーアントワネットがフランス革命時に「民衆はパンが食べられずに飢えているのだ」と詰問され「それではケーキを食べればいい」と反論した逸話を思い出しました。
日本は何時の間にか、マリーアントワネットと同様の意識で暮らしているかもしれないと、カトマンドゥでシャワーを浴びながら考え始めました。
客観的な目を世界に向ける必要がありそうです。
人間は感情の動物なので、中国などを見ると、感情で歴史が動く現実もあります。
しかし、そうであっても、自らはフェアで理知的な判断を心がけるべきです。
衣食足りて礼節を知るは一つの真実ですが、衣食足りても礼節を知るとは限らないのも事実です。
日本を超え、世界で二番目の規模となっても、無節操が目に余る国もあり、非暴力主義などの理想論だけで対応できるとは限りません。
足りたることを知り、他者の痛みへ想像力を働かせることも必要でしょう。
日本のように、人以外に資源のない国が、真に豊かな生活を享受し続けるためには、世界の現実を直視し、偏狭な正義感や拘りに惑わさぬ知力を磨き続けることが必要でしょう。
といった風に、ヒマラヤの街の、ぬるいシャワーを浴びながら、学生生活以降、考えたこともない、人間世界を生きる為の、頭の体操を始めていました。
(実はそうなんです。学生時代はそんなことばかり考えていました。)
日本に帰り、今こうして文章にしてみると、シャワー室では多分そんなことを考えていたような気がします。
久し振りに、ありきたりの日常から離れ、 惰性的に過ぎる時間と異なる状況下に身を置き、
若かりし頃、数十年前に手探りで人生に踏み出したあの頃の、プリミティブな感覚を思い出し、何だか、少し浄化されたような気分に浸っていたようです。
シャワーを浴びて、さっぱり気分で、夕食を求め街に繰り出しました。
実は、昨晩ちょっとした気の迷いから、宿の近くの「桃太郎」(市街図青〇3)という日本食レストランに入りました。
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海外旅行に出た時は、可能な限り現地料理を食べるようにしていますが、今回も「桃太郎」のメニューを見てすぐに後悔しました。
「何でネパールに来てまで、串揚げや揚げ出し豆腐なのか」と思ったのです。
ネパールに長期滞在する人が、郷里の味を懐かしむ場所としての意義はあるでしょうが、私には時期尚早でした。
店が汚かろうが、不味かろうが、これこそカトマンドゥと思う食を経験しなければ旅に出た意味は半減します。
今夜は、昨日と同じ轍は踏むまいと、タメル地区を歩き廻りました。
レストランを探しつつ、次の目的地のポカラやトレッキング関連情報を求め本屋を覗くと、驚くような光景を目にしました。
何と飛び込みで入った本屋が、棚一杯に日本語の本を並べていたのです。
本棚には曽野綾子、浅田次郎、森瑤子、中村うさぎ、と言った著者のハードカバーから漫画本に至るまで、種々雑多な古本が並んでいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/16/641c26546be020b9b6c286669c7607c9.jpg)
カトマンドゥにこのような本屋があることを、どの様に理解すべきでしょうか。
日本の登山隊やNGOが多くの本を持ち込んだのか、旅行者も含めて日本人が本好きなのか、予想もしない光景にただただ驚くばかりでした。
更にタメル地区で、山岳用品店を物色し、羽毛シュラフと羽毛ジャケットを購入しました。
出発前のネット検索で、ネパールでは、羽毛シュラフが7~8千円、ダウンジャケットも数千円で入手できる情報を得ていたので、羽毛シュラフとジャケットは初めからネパールで購入するつもりだったのです。
幾つかの店を覗き、羽毛シュラフとジャケットを計1万3千円弱で入手することができました。
日本で同様のものを購入すれば、少なくとも6~7万円程の金額になったはずです。
そんな風にタメル地区をフラフラしてると、カリーキッチンの看板が目に止まりまりました(市街図青〇5)。
テラス付き、と表示されています。
雰囲気が良さそうなのでこの店に入ることにしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/6f/88340e596cda7e10ed18aa2d8c783a81.jpg)
テラスに上がると、客は二組のペアが居るだけでした。
閑散としていますが、清潔感があって、雰囲気は悪くありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/4e/1631542c2b6875cda89d065369a79655.jpg)
メニューを手にしながら料理を選ぶ前に、ジョッキをもらいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/c6/eaef8faf84730c9dbc3eda4120073130.jpg)
そしてチキンカレーセットをオーダーしました。
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さっき、「店が汚かろうが、不味かろうが」と書きましたが、やっぱり食事処は「清潔で、美味しい」に越したことはありません。
この日の夕食のお値段はチップも含めて1200Rsでした。
円換算で1300円程度ですが、スープにデザートも付いて、記憶に残る美味しい時間を過ごさせて頂くことができました。
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