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第三セクター 三陸鉄道の旅が始まる

2024-04-03 00:02:34 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道 Ⅱ

 JR久慈駅の隣に

 


 第三セクター三陸鉄道のきっぷ売り場と改札口があります。

 


 待合室にリアス亭が店を構えていました。


 メニューを見るとソバとウドンが300~500円、うに弁当が1850円です。


 うに弁当の写真を見ると、弁当箱にうにがぎっしりと盛り込まれ、いくらが添えられています。

 

 この値段でこの内容なんて、他の場所では考えられません。

 


 自動券売機で大船渡の盛駅までのきっぷを購入しました。


 盛駅までの運賃は3780円でした。


 自販機は現金しか利用できず、窓口に人影はなく、カードできっぷを購入できるか否かは分かりません。

 


 改札口に「列車は発車時刻の約10分前に入線します。改札はありません」と表示されていました。

 

 
 三陸鉄道のホームに続く跨線橋から窓を覗くと、

 


 右手の車庫らしき建物から一両の気動車が動き始めました。

 

 

 この列車が宮古行きに間違いありません。

 

 


 車両が跨線橋の下を潜った後を追って、ホームに降りると、楽しい図柄がペイントされた軌道車がホームに停まっていました。

 


 帽子を被ったキャラクターの横に「Let‘Go イシツブテ」と記されています。

 


 明るい室内にワインレッドのボックス席が並び、

 


 網棚の上に、数多くのキャラクターが描かれています。


 キャラクターに見覚えがあるので、これはポケモンです。

 


 室内を見て回ると「いわて応援ポケモン イシツブテ」の下に「イシツブテは岩に手が付いた姿が岩手を象徴していることから、イシツブテが岩手応援ポケモンに選ばれた」と記されていました。


 小学2年生の孫もポケモンゲームに夢中で、親から時間制限されますが、ポケモンゲームでカタカナと漢字を覚えたので、無暗にゲームを禁じる必要はなさそうです。

 


 宮古行き列車は10時39分に久慈駅を発車しました。

 

 

 

 久慈駅を出るとすぐに、長内川を渡ります。


 長内川上流の長内渓流は、高さ80mの白い岩の断崖が3㎞も続き、新緑や紅葉の時期に見ごろを迎えるそうです。

 


 川を渡ると列車は市街地を進みますが、街に新築の家が並んでいました。

 


 列車が陸中宇部駅に停まると、同一規格同一デザインの住宅が軒を連ねていました。東日本大震災で被災された方々の住宅かもしれません。

 


 列車が次の陸中野田駅に着くと、高く聳える白い防潮堤が見えてきました。

 

 

 防潮堤に近づくと、高さ14mの防潮堤に圧倒されます。


 一般的な建築物の1階は約3mなので、5階建てより少し低い程の高さです。


 この辺りの野田村では、東日本大震災で発生した18mの津波で死者37人、村内1/3の建築物515棟が破壊という甚大な被害をこうむりました。


 防潮堤は、18mという津波の高さより低いのですが、この列車が走る三陸鉄道の線路や並走する国道45号線などが第二堤防、それより内側の三陸北縦貫道が第三堤防の役を担う設計だそうです。

 


 列車は陸中野田駅を出て4分後に十府ヶ浦海岸に停車しました。


 駅の周囲に十府ヶ浦公園が整備され、津波で破壊された、米田川を渡る歩道橋の一部が震災遺構とし展示されているそうです。

 

 

 

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大谷さん、岩手県民の資質そのもの

2024-04-02 00:15:22 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道 Ⅱ

 露天が並ぶ道を進むと「道の駅くじ」が目に入ってきました。

 


 
 中に入ると、ヒラガニ、ホタテ、ヤツシロ貝、ほや、などが並んでいました。


 ヒラガニは初めて見ます。

 

 ヒラガニは東北地方のヒラツメガニの呼称で、この辺りでは8月が旬で、夏の風物詩となっているようです。

 

 甲羅が柔らかく生きたままの流通が難しいので産地でしか口にできないそうです。

 

 ミソの香が強く、身から出る出汁で作るパスタは絶品で、カニ3杯で526円でした。

 

 今が旬の、刺身用のホタテは5枚で616円です!

 

 

 

 ヤツシロ貝も初めて目にしましたが「太平洋側の砂浜で比較的普通に見られる大型の巻貝。流通範囲は狭い。酢味噌にしてネギとたたくと美味」だそうです。1個100円でした。


 そして「むきほや」298円。


 こんなほやに青シソを添えたあてで、きりっとした吟醸酒を傾けたら最高でしょうね。

 

 


 そして「夕顔」


 皮をむいて、種とワタを取り、少女子と炒め煮に、みそ汁の具にも、と記されています。


 鮮度の良い、淡い緑が瑞々しくて食欲をそそります。

 


 二階に何かありそうなので、階段を上ってゆくと「昭和の想い出博物館 レトロ館」がありました。


 入口に見知らぬ自動車が展示されていました。


 画像検索で調べると、スズキCV1という原付ミニカーです。


 ススキが1981年に原付バイクをベースに開発販売したミニカーです。


 発売当初は原付免許で運転できたそうですが、国はすぐに普通免許所持者に運転を限定しました。

 

 その制度変更を受けて、スズキは1985年に生産を終了しています。


 4年間での生産台数はたった100台だそうです。それって超レア品ってことですよね!


 「何でも鑑定団」に出したら、どんな値が付くのでしょうか。

 


 スズキCV1の周囲に、松田聖子が演じた「野菊の墓」のポスターやビクターの犬の置物などが展示されていました。


 しかし、中に入ってゆっくりと展示品を眺める時間はありません。

 

 

 レトロ館へ続く廊下に2011年の東日本大震災の被災状況とその後の普及状況を対比する写真が掲示されていました。


 しかし私が見る限り、現在の久慈市街に津波被害の痕跡はありません。

 

 


 そして、岩手県民の誇りはこの人に尽きます。


 2022年8月11日の岩手日報号外が最も目に付く場所に張られていました。


 弛まぬ努力を重ね、決して奢らず、他者への気遣いを忘れない人柄は岩手県民の資質そのものと私も思います。


 私の学窓の岩手出身の友人もそんな人達です。

 


 あれから13年の月日が経ち、2021年に三陸沿岸道路が全通しました。

 

 


 日本という国に暮らす限り、地震から逃れられる場所はありません。


 そうであっても、他者を思いやり、絆を深め、不断の努力が「生きてきて良かった」と思える日々を必ず招きます。


 そうそう、こんなことを綴ると、岩手県の詩人の


 「雨にも負けず、風にも負けず、いつも静かに笑っている」


 の言葉を思い出しました。


 私は再び一階に戻り、「ちだい」の刺身を買って、その場で三陸の海の恵みを堪能しました。

 


 そして私は、ゆっくりとした足取りで久慈駅へ戻りました。

 

 

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久慈の街を散策する

2024-04-01 00:42:58 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道 Ⅱ

 過去に二度、久慈の街を車で通過したことがありますが、街を歩くのは今回が初めてです。


 久慈(くじ)は、久しく慈しむの意の優雅な地名ですが、南北朝時代からの郡名とされ、海食で陸地クジ(えぐられ)てクズ(崩)れた所の意とする説、アイヌ語の「クシュないしクジ(湾曲した砂丘)」を語源とする説などがあるそうです。


 久慈駅を出ると、駅前ロータリーに古びた4階建てのビルが朝日を浴びていました。


 ビルの壁に駅前デパートと表示されますが、中に商品が陳列されている様子はありません。


 駅前デパートで検索すると、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地となり、今もロケ地巡りに訪れるファンが絶えないそうです。

 


 掲げられていた久慈市街案内図で、500m程先に道の駅があることを知り、駅前の道を西へ向かって歩き始めました。

 


 
 駅の近くで、看板に津軽煮干中華蕎麦と記したラーメン店を目にしました。


 店の佇まいが気になりましたが、70歳を過ぎた私の小さな胃は、朝からラーメンを受け付けるキャパがないのです。

 

 

 最近つくづく思いますが、人は食欲、性欲、名誉欲などの全てにおいて、何かが欲しい、何かがしたいと思う季節が花なのです。


 周囲を慮って自制するなんて勿体ない。(但し、結果は全て自己責任です)


 人は古希を過ぎると、欲しいものが減ってきます。


 だからでしょうか、孔子が「70にして、心の欲するところに従えども、矩(のり)を踰(こ)えず」と語りましたが、それは即ち「70を過ぎると、人は程々で満ち足りる」ことの裏返しかもしれません。


 そうそう、こんな辛気臭い話はここだけの内緒話。


 ラーメン屋を見るたびに、こんな話をしたら、女房子供に疎まれるだけです。


 ほんと、人生とは悩み尽きないものです。
 
 今、朝の9時半ごろですが、既に陽射しが強くなり始めました。

 

 

 少しでも陽射しを避けたくて、道路を反対側に渡りました。


 正面から陽を受ける建物とビル陰のコントラストが、陽射しの強さを物語ります。

 


 道路を渡り、次の角を適当に左へ曲がると、露天に魚や野菜、ニンニクなどが並んでいました。どれも鮮度が良くて安い!

 

 これって朝市なのか?と思いググってみると、「いわての旅」に  


『久慈の市日(毎月3と8のつく日) 毎月、三と八のつく日に開かれ、六斎市と呼ばれ、歴史は古く、交通・文化の要路で栄えた久慈市の歴史を今に伝えます。日本最古の歴史を誇るといわれる市日です。』


 と記されていました。

 

 

 

 今日は8月23日です。こんな日に久慈市街を散策できたのは幸運でした。

 

 

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