邦画ブラボー

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「女は二度生まれる」

2006年07月06日 | ★人生色々な映画
屈託が無く、あっけらかんと生きる芸者のこえんの
毎日を、ハイテンポで描く。
可笑しさの中にも寂しさがにじむ。

情念の塊のような若尾文子も好きだけど、
これは可愛いなあ~~

35種類の衣装を着わけ、くるくるくるくるよく動く。
仕草のひとつひとつが女っぽい。
なんでしょうね、この演出の細かさは。

靖国神社の側の娼家という設定も
ひねりがきいていて面白い。客と寝ていると
ど~んど~~んと神社の太鼓が鳴り響くのだ。

こえんを取り巻く男たちも
バラエティに富んでいる。

朴念仁の学生、藤巻潤
こえんに惚れている板前のフランキー堺
ドライで調子のいい山茶花究
こえんにいれあげる「お父さん」山村聡など。
山村聡といえば、重役とか偉い人、父親イメージなどが浮かびがちだけど、
こんな、「ちょっとエッチなパパ役」もとてもうまい人だ。

お風呂での鼻歌も聞けて、若尾ファンにはたまらない映画。
小唄を歌うシーンもあるが、あれは吹き替えだろう。
川島監督は小唄・長唄に造詣が深いのか、
三橋達也が上手とはいえない小唄をうなる映画もあったなぁ・・・

こえんは生きた生身の女である。
華やかな喧騒に我を忘れ
はっと気づいたときにはもう中盤。

前半の明るさが
後半のがらんとした寂寥感を際立たせる。

さてこの映画のタイトルの意味をもう一度考えてみようっと。

1961年 川島雄三
脚本   井手俊郎 川島雄三
原作 「小えん日記」 富田常雄
撮影 村井博
音楽 池野成
美術   井上章

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