邦画ブラボー

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「好色一代男」

2006年07月10日 | ★ぐっとくる時代劇
大店のどら息子、与之介(市川雷蔵)は
放蕩が過ぎて親(中村鴈治郎)にも勘当されるが
いっこうにへこたれない。

生きがいは「女、女、女」であった。
女を幸せにするためなら
どんなことも厭わず、体を張って愛しぬく。

なぜそこまでやるかなどは一切説明されていないところが
よい。

ただただ、女が好きなのである。

市川雷蔵が流暢な関西弁をあやつり、
ユーモラスに一代の色男を演じる。

からりと大胆な演出は増村保造監督の真骨頂だ。
この物語が江戸の昔に書かれたものとは信じられない。
たいへん開放的でアナーキーな井原西鶴。

どこか日本人離れした思想を持つ与之介である。

ラストにも唖然とさせられるが、
大人のお伽話と言ってしまうにはあまりに洒落ている。

雷蔵は踊りもうまいし、
コメディ良し、時代劇現代劇となんでも来いですわ。

若尾文子 中村玉緒
船越英二 水谷良重 大辻伺郎 他

1961年増村保造 監督作品
原作井原西鶴 脚色 白坂依志夫
撮影 村井博 音楽 塚原晢夫
美術 西岡善信

*映画の中のイイおんな*
水谷良重:新派の大女優水谷八重子の娘さん。ちょっと野太い声(ハスキーともいう)が特徴でしょうか。
この頃はまだオボコ娘(なんちゅうふるい言葉だろうか)
で、信じられないくらい純情そうです。
美人というんじゃないんですけど、唇がぽってり厚く個性的。

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