Q:「 数年前に左ひじ(右打ち)がゴルフ肘になり、
治療している内に 右ひじにも痛みを感じるようになりました。 今や両手の何本かの指の第一関節に痛み
(へバーデン結節)が出ています。
アイアンをスチールシャフトから
カーボン(グラファイト)にすれば 良くなりますか?」
A:「切実な悩みですね。
素材として金属・スチールで造られたモノと
グラファイト・カーボンで造られたモノ は
若干、構造が異なります。
同じ強さを造るのであっても
スチールは 単一素材ですので
シャフトの 太さ、厚み によって『強さ』を構成します。
グラファイトは それに加え
素材を複合させるコトが出来ますので
スチールの 強さ=歪まなさ では無く、
しなる~しなりもどる と使い方のあやまちを誘発
してしまいそうですが、復元力によって
衝撃や歪みを吸収するチカラ をもっています。
建築物で考えると良いかも知れません。
地震に対し、全く歪まない 硬い構造物と
それを吸収する構造 では 耐震性がかなり異なる
と言った感じです。
グラファイト・カーボンの復元性は
先ほども書きましたが、しなる~しなり戻る という
大きな~ゆったりした動きではなく、
その場、その場で瞬時に歪みを戻そうとする
シャフトの丸い形(輪切りにした時の)を
元に戻そうとする力が働きますので
『硬さ』としても スチールのソレとは異なり、
硬さの目安の一つである 振動数、
(cpm-サイクルパーミニッツ 一分間の運動量)
そのcpm が同じ長さの場合、
スチールのそれよりも 30cpm位、
スチールの300cpmに対し
カーボンの270cpmが同じくらい と考えた方が
良いと思います。
からだのどこかに『痛み』『故障』があるので
カーボンに変えよう とした場合、
シャフトの硬さ cpm の特性差 を考慮して
選ばないと より 『痛み』や『故障』を
助長してしまいますので 注意が必要です。
スチールシャフトから 同じcpm、似たようなcpm の
カーボンに移行した場合、もっと悪くなる場合が
あるのでは と思います。 ソコは注意して下さい。
現在のゴルフセット事情 は
平均して ドライバーのシャフトは
10年前、20年前に比べると かなり柔らかくなっています。
Ⓡと呼ばれるモノの平均値も
250cpm から 220cpm 位まで落ちています。
それに比べ スチールシャフトが採用されている
アイアンの平均値は 昔のまま…
Ⓡシャフトでも 280cpmを超え、
300cpmを越えてしまうモノも沢山あります。
ドライバー・ウッドの その硬さに合わせて
相性の良さも考慮し
ドライバーのその硬さ cpm +10~20cpm
ドライバーが220cpmでしたら
アイアン(5番)は 230~240cpm にするのが
良いと思います。