ゴルフクラブのカタログなどを何気なく見ると 【重心距離】
ヘッドの重心… 重量の中心点
そこから、シャフトの中心線までの垂線(垂直)な距離。
ここまでは 客観的な事実で、異論の挟みようがない クラブを比較したりする時に、
参考になる比較データの一つと言えます
ところが、この先にその用途を示すような 但し書きというか、
非常に誤った解説が付いており これが「ゴルフ取扱説明書」の意味合いも含んでいるので
重心距離の短いモノはフェースが返り易く、 操作性に富みます。
長いモノは リストワークが使い辛い ですが スウィング軌道は安定しやすく、
スピン量が増えるため ボールが上がり易く、かつ止まり易くなります。
こんな解説が添えられるのです。
ここには 二つのあまり芳しくない意味が内包されています。
ひとつは ➀ヘッドは回転させて使うモノ と言う意味。
このカタログの説明では あたかもヘッドは回転させて使うモノ というのを想起させます。
ゴルフのスイングを作るイメージとして
このような 何気ない刷り込みが実は一番怖いような気がします。
そして 二つ目は ②トゥダウン というモノが概念として存在していません
トゥダウン とは 正しくゴルフクラブを使うと 速度が上がってきたとき
自然に ヘッドの重量の中心点が 握っている棒(グリップやシャフト)の軸線上、延長線上
に来る仕組みです。
ゴルフヘッドにとって 重量の中心点とは すなわち 一番効率の良い打点、
ファジーな言い方をすれば ヘッドの芯 です。
正しくゴルフクラブを使えば オートマチックに ヘッドの芯が
握っている棒の先に来るので ヘッドの種類や重心位置の違いなどを気にせず
棒そのもので打てば良い仕組みになっています。
そして シャフトは剛性さえあれば どんなに柔らかくとも
その重心位置のズレ分しか トゥダウンしません。
ですので このサンプル動画では 44インチで 振動数102cpm
という 市販のクラブの 1/3の振動数 という
俗に言う ふにゃふにゃ のシャフトであっても
インパクト時には そのズレ分だけ垂れている状態になります。
まあ スイングを見ている限り、 その硬さ₍柔らかさ₎とは 誰も気づかないでしょう。
このトゥダウンがあれば 自動的に一番美味しい所が打点に来るのです。
ですので アプローチなど 硬いシャフトを使っていると
振りが速くない時 そのズレが解消せず
そこにネックが来てしまうのが シャンク です。
十分な柔らかさのシャフトを使っていれば
振りが速くなくとも、そこに打点が自動的に来てくれるモノ なのです。