道総研さけます・内水面水試は、22日に開催された道連合海区漁業調整委員会で、今年の本道沿岸における秋サケの来遊(河川そ上も含む)が前年実績に比べ1.8倍の31,367千尾と予測した。
同水試さけます管理グループの藤原真研究主幹が発表したもので、昭和55年(1980)以来の不漁となった来遊は4年魚(平成26年生まれ)の回復により、3千万尾を若干上回る。29年は全道的に3年魚の来遊が多かったために、今年の4年魚は平年(過去30カ年平均2,425万尾)並みの2,344万尾と予測される。しかし、昨年の4年魚(平成25年生まれ)は平成以降最も少なかったため、今年の5年魚も566万尾と昨年(516万尾)並みにとどまる。
地区別にみても全地区で昨年の来遊量を上回り、オホーツク14,578千尾(前年比156.3%)、根室6,030千尾(同263.6%)、えりも以東1,756千尾(同203.6%)、えりも以西6,022千尾(同229.2%)、日本海2,981千尾(同131.7%)と各海区とも伸び率は高いが、日本海を除き不漁だった前年の状況を考慮すると、全体として平年並みに戻ったという水準。
一方、河川の親魚捕獲は不足する地区が予想されるなど依然として厳しい状況にある。特に根室南部とえりも以東の東部・西部は前・中・後の全期間で不足し、根室、えりも以東は海区全体でも不足し、4年後の来遊につながる種卵確保が難しいため、対策の検討と実施が必要となっている。
業界団体の関係者は「今回は前年の漁獲量が悪すぎたので、増加率は高いが、本来の3千万尾台に戻っただけ。これからホップ・ステップ・ジャンプと回帰を高めてコンスタントに10万㌧以上を供給する努力を続けていきたい」と話している。