2日目の朝、前日より青い顔(ブルーマンほどじゃないけどね)をして
「全然眠れなかった・・・」と食堂に現れた息子。
やっぱり。そうくると思ってたよ。
でも割といつもそうなんだから、ある意味慣れてるよね?
心配しすぎるな。
多分ひどいのは今だけ。
何かの拍子にアドレナリンが出たり 集中するきっかけが出来れば体は戻る。
それどころか最高の体験になる可能性も高いんじゃないの?
「大丈夫、最低限必要な休息は取れてるものだよ。
段々と血がめぐり出すから気分もラクになってくるはず。
スタッフも万全の態勢だから 安心して行っておいで。
ワカサギ釣り体験は素晴らしく幻想的な自然の中で 普段できない体験だよ。
釣れても釣れなくても楽しいよ。
余裕があったら 周りの友達の様子も見てごらん。
きっとみんな真剣でキラキラしてるから。
それでも調子が悪いときは遠慮せずに伝えるんだよ」
私は同行スタッフを信じているので安心して任せることが出来るのでした。
-17度の朱鞠内湖(しゅまりないこ)で息子たちは280匹の釣果を記録したそうです。
ううううう・う・・・嘘でしょーーーー
北海道には神がいらっしゃるのかーーーーー
17名全員が釣れたのだそうです。
ああ、ああ、すごいすごい!
よかった。
ワカサギ釣りの後 本校で授業を受けてクタクタなはずの息子たちの顔は
どの子も穏やかで 少しだけ高揚していて とてもいい雰囲気でした。
息子は6匹釣ったそうです。
「釣り方は結構うまい方だと思うんだけど(←自分で言ってる~ウケる~)
魚の群れが来なかったんだよ」だって。
ううん、上出来だよ。
一番釣った女の子を息子はこう命名していました。
『ワカサギ48匹釣りのシンデレラガール』誕生、と。
夕飯に登場したワカサギのフリッターは大げさでなく最高に美味しかった。
ふわふわの身で 柔らかくて 透明感があって
きれいな水で育ったきれいなワカサギの味がして驚いた。
埼玉で食べるワカサギはひどく生臭くて固いんだもの。
別ものだったの。
これが朱鞠内湖の恵みなのか。
もうひとつ、予想外のことがおこっていた。
午後の授業に1時間空きが出来た2年生のてい子とぱんちゃんが
本校のスタッフに何か遊べるものないですか?って聞いたら
体育館に卓球台を出してくれたんだって!
それを知ったスタッフが息子の所に来て
「君その課題を早く終わらせて 卓球しに行きなさい!」って言ってくれたんだって。
20分間卓球が出来たそうです。
すっごく嬉しそうに教えてくれました。
あーーーわたし泣いてもいい?(まてまてまてまて、ダメですよ)
奇跡の演出に感謝です。
ありがとう、イヘウコ・・・(あ、いや、なんでもありません)
ともかく大逆転!
ありがとう、アドレナリン!
ありがとう、みんながワカサギ釣れて!
ありがとう北海道で卓球させてくれて!
かつて子どもら幼かった頃の子育てだったり
電車で会った赤ちゃんだったり。
だから美味しく食べて、楽しく遊んでる母たちを見て
少し大きいこの子らも、きっと救われたんじゃないか。
そう思うんですけども。
こどもたちの可愛さにうるうるしながら、食べて遊んでおしゃべりしたんだった。
ワカサギなんて2回もおかわりして。
こどもたちの作ったバターでバターご飯して。
…食べてばっかり。
自分たちがそんな立派な存在だったとは。
でもね、実はさ、私は下心満載で若者に近づき(だって仲良くなりたかったんだもん、好きになっちゃったから)、一方でひたすら雪のアクティビティを満喫してただけなの。
子どもを押しのけて遊びそうになっちゃったの。
いや・・・遊んだの。
スタッフにはバレてるかもしれない。
ブラックリストに載ってないといいけど。
・・・自分たちで言ってりゃ世話ないね。
酒飲むときの、肴という程大きくなく、つまみという程小さくなく。決して主役でなく、主役をよりおいしくする存在。
ちょうどいいアテがあると、酒はよりおいしくなるんだそうだ。
スクーリングにおける母たちは、きっとそんな素敵な存在。
ちょっとは「いて」よかったよね。
私たちでなくてもいいんだけれど
ほんの少しの賑やかし、ほんのひとつまみの安心成分。
いざとなれば力技で、と思ってたけど、私の小手先の工作は必要なかった。
北海道では私は信じて、どこかに居るだけで十分だった。
たくさんの信頼できる人たちが一緒だったから。
ドライブスルーなら知ってたんだけど。
そうそう、前進、膠着状態からの突破、そんな感じよ!
寝なくても・・っていいこと聞いた。
そうだね、寝なくてもみんなちゃんと生きて帰ってきたよ。
あの場には、ほぼいいものしかなかったよ。
人じゃなくて自分の弱いところと戦う若者たちの勇気と
お互いに対するやさしさ。
見守り導く大人たち。
いいところで素敵なものを見せてもらった。
神はいる。ここにいる。
そう思える、嬉しさで崩れ落ちる体験ですね。
それが神なのか、自然なのか、それともものすごく練られたスタッフの演出なのか?は知る由もないけれども。
自分の経験上および当時の友人の様子から、どうも人間3年くらいは寝てるんだか寝てないんだかわからないくらいでガンガン活動できるものらしい。
私は自分の稽古でその3年を使い果たしてしまい、子育て初期に苦しかったんだけどね。
シロイルカくん、だいじょうぶ。数日寝なくても。
ハナウタちゃん、見守るのは、最難関のサポート、一番の力業なんだそうですよ。