SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

2006年日本臨床外科学会

2006-11-10 | 学会
 2006年11月9日から11日まで広島市で日本臨床外科学会が開催されました。私は肝内胆管癌の外科治療成績を発表してきました。

 肝内胆管癌の外科治療成績は不良であり、私たちの施設の53例の5年生存率は32%でした。予後不良因子としては、リンパ節転移陽性、肝内転移陽性、肝門型、神経周囲浸潤陽性、切除断端癌陽性などでした。進行度についてみると、ステージ1,2の肝内胆管癌では予後は良好でしたが、ステージ3.4の進行肝内胆管癌は肝門部血行再建、リンパ節郭清を伴う拡大肝切除術を行ってもこれまでに5年生存した人は無く予後は極めて不良でした。今後は手術+化学療法の効果を多施設による無作為化比較試験で検討する必要があると思います。