SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

医療分野への3Dの応用

2007-02-02 | 雑感
 今年の春に早稲田大学大学院国際情報通信研究科の河合隆史先生らと共同で、医療分野への3D画像の応用を紹介する本を出版する予定です。

 私は肝臓・膵臓・胆道外科手術の3Dビデオ、肝血管と胆管の3DCG、仮想(バーチャル)内視鏡、インフォームドコンセントへの3Dアニメーションの応用などについて執筆しています。

 私と河合研究室のスタッフの他に、東京女子医大脳外科の伊関先生や九州大学先端医工学診療部の田上先生、その他にも様々な分野の先生方に執筆していただきましたので今から出版がとても楽しみです。

肺がんに対するイレッサとタキソテールの効果の比較

2007-02-02 | 治療
 日本におけるイレッサの市販後臨床試験データが2007年2月1日の厚生労働省の審議会で報告されました。

 手術不能の非小細胞肺がん490人をイレッサ群とタキソテール群に分けて生存率を比較したところ、イレッサ群の1年生存率は48%、タキソテール群の1年生存率は54%で両群間に有意差は無かったそうです。重篤な副作用である間質性肺炎に関しては、イレッサ群で3人死亡したのに対しタキソテール群では死亡例はありませんでした。

 つまりイレッサは、タキソールよりも効果に関しては優位でない上に、間質性肺炎という重篤な副作用で死亡する危険性がより高い結果となったわけです。