膵頭部がんでは膵頭部後面から上腸間膜動脈方向へ向かう膵頭神経叢浸潤が多いので、上腸間膜動脈周囲神経叢の切除が行われます。この上腸間膜動脈周囲神経叢切除法には様々な方法が存在し、全周切除、右側半周切除、神経叢表面だけ浅めに切除する方法などがあります。
しかし、この上腸間膜動脈周囲神経叢切除の有効性は科学的には証明されていません。一般に、神経周囲浸潤を認めるような膵臓がんは高度進行例であることが多くリンパ節転移の頻度も極めて高いので、神経叢を切除したから治癒するということにはならないからです。ですから、どの程度の神経叢切除をするかは手術の度に悩むことになります。膵頭部がんでは上腸間膜動脈周囲神経叢の右半周切除が、最も一般的だと思います。しかし、高齢の患者さんや全身状態があまり良くない人では神経叢切除を省略することも多いのが実情です。
しかし、この上腸間膜動脈周囲神経叢切除の有効性は科学的には証明されていません。一般に、神経周囲浸潤を認めるような膵臓がんは高度進行例であることが多くリンパ節転移の頻度も極めて高いので、神経叢を切除したから治癒するということにはならないからです。ですから、どの程度の神経叢切除をするかは手術の度に悩むことになります。膵頭部がんでは上腸間膜動脈周囲神経叢の右半周切除が、最も一般的だと思います。しかし、高齢の患者さんや全身状態があまり良くない人では神経叢切除を省略することも多いのが実情です。