ザ・ラストバンカーを読んだ。
西川善文氏は元住友銀行の頭取である。その後、統合した三井住友銀行の初代頭取も務めた。
小泉改造内閣の時に郵政民営化にかかわり、日本郵政株式会社社長に就任、しかし、政権交代で
郵政民営化が後退したため2009年に退任した。
私は東北出身なので、住友銀行にはなじみがない。
就職時、公務員か銀行が希望で就職活動もした。だが別業界の会社に入った。
友人、知人はたくさん銀行業界に行っているので関心は持っていた。
銀行も勢いがよかったのはバブル崩壊前までで、バブルがはじけてからは
不良債権処理で大変な時代であった。その後銀行間の統合が進み、今の時代になると
金利低下で、厳しい状況になっているようだ。
住友銀行は財閥系の銀行で、関西を中心に大きくなってきたが、私の知っているのは
安宅産業事件やイトマン事件など、あまりいいイメージではなかった。
西川氏は奈良出身で住友銀行に入ったが、支店勤務はあまりなく、営業の経験は
少なかったという。どちらかというと、調査や審査・融資などの仕事が長かったようだ。
したがって、安宅産業やイトマンの問題のときに、磯田頭取の下で苦労して会社内の
不良な部分を是正する仕事をしてきたようだ。
この本で大いに興味を持ったのは、第4章の「不良債権と寝た男」と第5章の
「トップダウンとスピード感」のところであった。
1990年代、筆者が専務になった頃から、2000年代前半、頭取とFG社長を退任するころ
までの時代は、不良債権と戦う日々だった。
1998年には公的資金の注入があり、住管機構との闘い、支店組織の大改革、さくら銀行との合併
などを経て、2001年には三井住友銀行を発足させた。
その後、ゴールドマン・サックスによる増資や、UFJ銀行をめぐる三菱とのやり取りがあったりした。
この間の内容は金融関係に詳しくはないが、筆者の先見性や指導力、行動力で乗り切ってきたようである。
そのあとは、小泉改造内閣の竹中平蔵総務相から日本郵政の改革への協力を求められ、日本郵政株式会社の
社長に就任した。しかし、政権交代により郵政民営化が見直しの方向になり、亀井郵政・金融担当相のときに
社長を辞任、退任した。
その後日本郵政はトップがいろいろ変わったが、昨年からかんぽ生命の問題で混乱している。
金融関係、とくに郵政関係は政治とのからみもあり難しいが、我々の老後の財産問題にも絡むので、
正常化したうえで、国民に役に立つ存在としてよみがえってほしい。
そういうときに、西川氏のような金融関係に精通して、先の読める、指導力のあるリーダーがいてくれたらと思った。