しばらくぶりに村上春樹さんの小説を読んだ。長編小説は読んだことはないのだが、短編やエッセイなどは何作品か読んでいる。
今回の作品は、短編が6編ほど集められたものだ。中に「ドライブ・マイ・カー」があるので、それを読んでみたかったのである。
内容についての感想は書けないが、それぞれの作品の主人公などの登場人物の名前は、結構変わっていると思う。
「ドライブ・マイ・カー」は、家福(かふく)、「イエスタディ」の木樽(きたる)は主人公の友人、「独立器官」の登場人物は渡会(とかい)医師、「シェエラザード」の主人公は羽原(はばら)、「木野」の主人公は木野(きの)。
フィクションだからありふれた名前よりはよいのかもしれないが、なんとなく読むときに読みにくかった。
この小説のなかで、気になったのは「シェエラザード」のなかのやつめうなぎの話。河や湖の底の石にくっついて、逆さになって水草のようにゆらゆら揺れているという。通りかかった鱒にくっついて寄生生活を送るという。気持ち悪かった。
これらの小説は、いろんな事情で女性に去られてしまった男たちの話だったが、「男から考えると、女性はわからない」という話だったように思った。