内館牧子さんの高齢者小説第5段、「迷惑な終活」を読んだ。
内館さんの小説は妻が気に入っており、今回も新聞に広告が出るとすぐに本屋に買いに行った。
今回の話は「終活」である。
新聞やテレビを見ていると、断捨離とか終活というような話ばかり。
登場人物は75歳の夫とその妻、年金暮らしで二人暮らし。子供たちはそれぞれ独立し、離れて暮らしている。
ほぼ我が家と変わらない、少し年上の先輩夫婦ということになる。我々夫婦もやがてそういうことになるのだろうと思って読んだ。
主人公の夫は、「生きている間に死の準備はしない」という主義。
しかし、そんな夫も人生にケリをつけるために行動し始める。
そこから思わぬ事態が発生するのだが。
内館さんの小説の展開はいつも奇抜だ。いつのまにそうなるのか、次々と事態は思わぬ方向に転がってゆく。そこが面白い。そして、その有り様が、我々の周りにもありそうなことなのである。
さらに登場人物の心の声、ことばにも形にも出さないが、心の中に思っていることが、さもありなん、ということで感じられる。
今回も楽しませてもらいました。夫婦で読んで、話をするのもまた楽しいものです。
これからまだ長生きするのにも、参考になりました。