古い新聞のなかにあった、原武史さんの書いた「歴史のダイヤグラム」の文章で、昔を思い出した。
誰にも話したことが無かったが、学生時代に高橋和巳さんの本を数冊読んだ。
「邪宗門」「非の器」「我が心は石にあらず」だったと思う。
同じクラブの友人から、兄貴が読んでいると聞いて、読み始めたのだ。
内容はわからないし、難しそうな本だと思ったが、わからないながらも読み通してしまった。それで何かが変わったわけではない。ただそういう世界もあるのだと思ったと思う。
「邪宗門」は戦前の新宗教をモデルにしていたようだが、そのような通常ではわからないような世界も、本を読むと知ることができる。
高橋和巳さんも一時代は著名で、人気もあったが、その後忘れ去られたような感じだ。
小説の内容も今の時代には合わないが、そういう時代もあったことを、知っておくのもよいのかもしれない。