子供の頃
プラモデルを作るのが好きだった
鉄腕アトムや鉄人28号
ジェット機やオートバイなど
だんだん難しいものをねだった
けれどいつも途中で投げ出して
未完成のままで
つぎの難しいものをねだった
ホコリを被った
プラモデルを
久しぶりに手に取り
失態と苦笑が入り混じる
能力以上の高望みは
高齢になった今でも
ちっとも変わらないな
でもあのときは
なんの野心も虚栄も
無かったような気がする
なにかを形にする
ときめきだけが無邪気にあった
ガラスケースに再び戻した
部品の欠けた
プラモデルは
幼な子のまま
まだ何かをねだっている