こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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胃瘻管理を変えたい!その2

2009-05-01 23:02:52 | 訪問看護、緩和ケア
大塚製薬さんやテルモさんが、さっそくサンプルを持ってきてくださいました。
なるべく早くいりますよね?と言って、すぐにサンプルを持ってきてくださって、いろいろ説明してくれました。
さすがですよね。この動きの早さ。
栄養剤に混ぜるタイプの大塚さんのイージーゼリー、そのまま使えるテルモのテルミールPGソフト。
それに付属の製品や、文献、カタログなど・・・
本当にありがとうございました。企業の姿勢でしょうか?頭が下がります。
できることなら、エンシャーリキット用にサンプルお願いした、会社の方もそういう対応してほしかったです・・
事務的な対応で、「ではサンプルお送ります」って・・
なんか、すっ飛んで持ってきて下さった、大塚製薬さんやテルモさんの対応とだいぶ違うなーと。

とにかく、そのサンプルと文献をもって、主治医の先生を回り、先生にも了解を得ることができました。

まず、いつもツインラインを使用している患者さんが、イージーゲルを使ったところ、ちょうどよい硬さになり、カテーテルチップで胃瘻から注入。
担当の看護師いわく「すごい!注入後いつもすぐにゼロゼロ始まるのに、ゼロっともいわなかった!」とのこと。
娘さんも「買う!すぐに買う!いつもならまだまだ滴下していて、当分そばを離れられないのに、もう終わっちゃった。それに、お母さんすごく楽そう!」と大喜びだったそうです。
明日には、もう一人の方がテルミールPGを開始します。
水ゼリーもサンプルでいただいたので、デイサービスに持っていく予定です。

ただ、主治医によっては「絶対だめ」と言われて、以前から希望していてもできない方もいます。
何でだめなのかわからないので、もう一度聞いてみてもらうつもりです。

少しでも在宅療養が楽になって、楽しめればいいと思います。
つらいつらいだけじゃなくて、上手に手を抜いて、介護を楽しんで欲しいと思います。
絶対、大切なものを手に入れられると思います。

訪問看護師は、いつも何かを作り出したり、新しいものを取り入れたりして、問題を解決できる、楽しいお仕事です。
うまくいったときの、「おおー!!」と言う感動はすごくうれしく、楽しい時間です。
もっともっと、在宅の仲間ができるといいのに・・・

臨機応変、新しいものでも、古いものでも、いいと思ったらチャレンジしていきたいと思います。



「風のガーデン」DVD見ました。

2009-05-01 00:36:42 | 読書、漫画、TVなど
先行予約していた「風のガーデン」DVDBOXを見終わりました。
じっくり見直すと、言葉の一つ一つが、胸にしみてきます。
おまけのDVDには、出演者や倉本聰さんのインタビューなんかもあり、岳君の「乙女の祈り」の演奏あり、「北の大地」の踊りの全収録あり、撮影風景ありと、中身も濃かったです。
なにより、あけてびっくり、全7枚の収納ケースの美しさにもうっとりです。

中井喜一さんと、倉本さんの対談の中で、「在宅で死ぬ」と言うことにも触れていて、中井さんは「がんばって全力で生きてきた人が、家で死ぬことを選ぶんじゃないか、」見たいな事を言っていました。

確かに、私たちが見送った方々は、がんばってきた人たちだったと思います。
がんばって、今を全力で生きて、人生を自分で開いて、だからこそ最後を自分で選べるのかもしれません。

ずっと、何かあったら病院で、と言っていたご家族が、ぎりぎりのところで「家でみれるものなら・・・」とご相談されることとがよくあります。
もちろん、それが可能なことは伝えてあっても、実際そこまでこないと、踏ん切りがつかないご家族も多いのです。
で、そこで初めて最後まで家を選択され、小澤先生をご紹介したとき、最初の診察で、ご本人に向けて、「まもなくそのときが近いこと」や「死生観」に触れ「あなたは、これからの時間を、どこで過ごしたいですか?」と切り出すのです。
ご家族はびっくりして、結構固まったりしますが、以外にも、病状を伏せていたはずのご本人が、「家族に迷惑がかかるが、できることなら最後までここにいたい」とはっきり言われることが多いのです。
後で聞くと、ご家族は一瞬本当にびっくりして、ショックを受けたものの、そのとき始めてご本人の本音を聞くことができて、最後を家で看取る覚悟ができたといわれます。
先週末、そうして小澤先生をご紹介した患者さんは、それまでの不安げで憔悴したお顔がうそのように、穏やかで笑顔が戻り、「もう、病院に行かなくていいんだね」と話され食事も少し取れるようになっています。
本当は入院したくなかった。でも、家族の負担を考えると、それが言えなかったんですよね。
今ご家族は、家族にためにがんばってきたお父さんを、全力で介護されています。
がんばった人だから、最後の願いをかなえられるんですよね。
もちろん、いろんな事情でそれが無理な方もたくさんいらっしゃるし、病院の方がよい環境でいられることもたくさんありますが・・・
ひとりひとり、どんな形にせよ、最良のお別れを「選択できる」と言うことが大切なのだと思います。

「風のガーデン」私にとっては、永久保存版のお話です。
在宅現場も、医療現場も、ほんとうに良く伝えて頂けていると思います。
本人や妻の意思を無視して、入院を迫る東京から来た息子に対して、貞三医師が在宅の話をするところは、ずっと、うんうんとうなずいてみていました。

岳君とのお別れのために、森のはずれで木に腰掛けて、おどけてさよならのポーズををとる、貞美の姿が、美しくて悲しくて、泣けてなけてしょうがなかったです。
まだ見てない方は、ぜひ見てください。
すごいです。