こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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家族の医療処置

2010-04-15 22:59:28 | 訪問看護、緩和ケア
最近は、医療的な処置があっても、どんどん帰されてしまうので、在宅IVHやバルンカテーテル、人工呼吸器やPTCDなどなど、訪問看護師もいろんなことに対応して行かないといけません。

でも、頻回な訪問は経済的に負担をかけますし、緊急訪問はマンパワー的にも不足しがちです。

一番よいのは、余計なものはなるべく付けない事ですが、必要に迫られて管やら何やらが付いてくるわけですから、やるしかないのです。

で、ご家族の出番となるわけです。

退院に向けては、ある適度の事は、病院で指導を受けてきます。
ですが、退院すると「やっぱり無理です。できません。」と言う事もままあります。

家庭環境や負担の大きさ、また理解や技術的な習得が可能か、精神的な余裕があるかどうかなどを見ながら、可能な場合は御家族にも覚えていただくようにしています。

在宅IVHのポンプの操作や、それに伴う輸液剤の扱い、薬剤の混入、輸液剤の交換、アラーム時の対処方法などは、ほとんどの場合病院で何度も練習してきます。
でも、アラームが鳴るとみなさんびっくりするらしく、不安で緊急要請をされる事が多いように思えます。

在宅用にレンタルされる輸液ポンプ(カフティポンプが圧倒的に多いですが・・)で、アラームが鳴るのは輸液剤交換時の気泡が原因の事が多いようです。

冬場は特に、廊下など家の隅の寒いところに輸液を置いておいて、交換のため暖かい室内に持ってきて、薬剤を混和すると、にさらに泡が立ちます。
それをすぐに追加交換すると、輸液材に溶け込んだ細かな気泡が、ルートを通っていくうちに暖かい室内で膨張して、センサーに感知されることがあります。

一軒家は特に部屋ごとの温度差が大きいので、こんなこともよく起こってきます。
ですから、輸液を混和してからしばらく室内でつるしておいて、微小な気泡が全部なくなってからそうっと交換すると、殆ど気胞は入りません。

ルート交換や針交換も、全部できる御家族と、最初から看護師に依頼される場合がありますが、後者の方が多いような気がします。

でも、ポンプを止めて、針を抜くまでを覚えていただければ、ある程度繋がれない自由な時間を持つことが出来ますよね。
抜いている時間に入浴したり、散歩をしたり。

今、PTCDの流れが悪くなる方がいらっしゃって、何度か緊急訪問をしました。
でも、ゆっくりと生食を注入すると、自然によく流れるようになるため、これからしっかり者のお嫁さんに、PTCDの洗浄を覚えていただこうかと思っています。

ちなみに、PTCDとは、詰まってしまった胆管に管を入れて、胆汁を体の外に出すための管です。
胆汁が詰まって出ないと、どんどん黄疸がひどくなり、やがて肝性昏睡を引き起こします。

病院では、感染を起こすと大変なので、洗浄は医師が行いますが、在宅ではそんなこと言っていられないので、頻繁に詰まるようなら御家族にへの指導も在りです。

たいがい、この手の管には三方活栓と言うものがついていて、コックをひねってその向きで薬を入れたり、排液したり、流れを止めたり、流れっぱなしにしたりします。

この操作は、やはり若くてしっかりした御家族でないと、ちょっと怖いです。
コックの向きで、閉塞しちゃいますから。
で、今日はあす御家族へ指導できるように、絵を描いてパンフを作ってみました。

これは、PTCDだけじゃなくても、いろいろな場面で利用できるので、自分的には気に行ってパソコンに取り込んでみました。

何かあったらすぐ行くのは当然ですが、出来る事は御家族が対処できるようにすることも、訪問看護では重要なことだと思います。
緊急訪問、ないほうがいいですからね。(お互いのために

ただし、老老介護や御家族にその余裕がなければ、こちらで担うのは当然です。