こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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排尿障害

2010-04-23 22:44:59 | 訪問看護、緩和ケア
突然おしっこが出なくなることがあります。

おなかが張って、尿意はすごくあるのにどんなに頑張ってもおしっこが出ないのです。

これはすごく苦しことです。
私も術後に経験がありますが、悶絶します。

原因はいろいろあります。
私の場合は、寝たきり状態での排尿に慣れていないために、尿器での排尿に対して抵抗感が強かったためではないかと思います。
結局、導尿をお願いして、尿が出始めたときは本当にホッとしました。
こうなると、恥ずかしいなんて言っていられません。

バルンカテ―テルも入れた事があります。
出産時と子宮筋腫の手術の時と、半月板損傷の手術の時です。
これは、意識が無い時に入れられたので、挿入時の痛みはわかりませんが、覚醒時の違和感は若干ありました。

いずれも短期間だし、留置の目的がはっきりしていたので、必要なものとして特に抵抗はありませんでした。

療養中の患者さんでも、それは突然起こってきます。

おなかが張って苦しいのだけれど・・・
と言われておなかを見ると下腹部がパンパンに張っており、導尿すると500ccとか時には1リットル近くたまっている事もあります。

認知のある方など、意外と気がつかない事があり、注意が必要です。

多くは、神経に起因する障害で、間歇的な導尿かバルンカテーテルの留置となります。

間歇的な導尿と言っても、若くて自己導尿が可能な人は、在宅ではそうそういないので、管理しやすいバルンカテーテルを入れる事が多いのが現状です。

本来は、尿路感染や自立性の低下を招くためになるべく避けるべきなのでしょうが、世の中教科書どうりにはそうそういかず、介護負担や本人のストレスを考えると、留置もやむなしということです。

でも、その受け止めはやはりいろいろです。

よく「自分でトイレに行けなくなったら死んだ方がまし。」とか「おむつになったら、家族に迷惑がかかるからどこかに入れてほしい。」などと言われる方もいます。

人間にとって、排せつは最も自立したいものです。

脊髄への転移などで、突然下半身に麻痺が出現することがありますが、やはり平行して排尿や排便の障害が起きてきます。
神経難病などでも、進行とともに出現してきます。

「どの位たまっているか導尿してみましょうね。」
やはりかなりの量がたまっているとしても、人によってはとても抵抗感を持ちます。

「進行がこんなに早いとはね・・・。でも、もう一回頑張ってみたい。2日前までシャ―って気持ちよく出たのよ。」

もうたぶん、無理なことはわかっていても夜間でない限り御本人の意思に沿います。

「そうですね。納得しないとね。夕方までにお水たくさん飲んで、頑張って見てください。そして、それでもでなければ、管を入れましょうね。夜辛くて眠れなくなるし・・ね。水腎症になっちゃても困りますから。

半日後にもう一度頑張っても出なければ、納得もできます。

何で嫌なのか?

もちろん、人として当たり前の機能だし、プライドがあります。

あとひとつは、人の目です。

おしっこの袋をぶら下げている。
以外に平気な人もいる中、気にする人はかなり気にします。

かわいい袋に尿のバックを入れて、車いすに吊るしたり、見えないように膝かけの下に入れたりと御家族が色々考えてくれることもあります。

もっと目立たないのが、レッグバックです。
あしに、バンドで細長い尿バックを貼りつけて、その上からズボンをはいてしまうと、まったくわからなくなります。

ただ、蓄尿量が少ないので、2~3時間ごとにトイレに行って尿を破棄しないといけませんが、トイレが近い人と変わらないので、人の目は気にしなくてもいいわけです。

管が一本増えると、それだけで動きが封じられてしまいます。

どうしたら、本人が納得できる形にできるのかは、医師も含めよく話し合って、出来れば納得できるまでちょっと待つことも必要だと思います。

ちなみに、膀胱障害は直腸障害も一緒に起こってくることが多いので、排便の方も十分観察や配慮が必要です。