看護師は、昔からあるもので工夫したり、作ってみたりするのが好きな職種なんじゃないかと思っていました。
でも、それは私くらいの年代だけなのか、もしくはその人の趣味的な話なのかもしれないと、最近思います。
昔は、病棟でも寝巻きを改造してみたり、看護物品を作ったり試したりして、それを看護研究として発表したりしていました。
でも、最近は私たちが考えるまでもなく、いろんな便利物品が商品化されていて、私たちは選べばいいだけになっているような気がします。
でも・・本当は、患者さん一人ひとりにとって、「これがあったら便利なのに。」っていうものがたくさんあります。
たとえ、商品化されていても、それを購入できる余裕がなければ、それに代わるものを必要とするわけです。
私は物を作るのが、どちらかというと好きです。
ステーションにミシンを持ち込んで、随分といろんなものを作りました。
その患者さんのためだけの介護用品などです。
このブログでも随分と紹介しましたが、物を作るだけでなくても、処置の仕方や代用品の捜索なんかもやっています。
今、スタッフの相談を受けながら、一緒に考えているものがあります。
肺膿瘍の患者さんは、年に二人くらいお引き受けしますが、その殆どの方に背中や腋窩に、術後の開放創があります。
ぽっかりと肺のあった部分に穴が空いているのです。
そして、その穴の奥からは呼吸とともにシューシューと空気が漏れますし、咳をするとそこから痰が飛び散ります。
つまり、気管支の断端が露出しているのです。
そこに、バラガーゼを何枚も入れて、さらにガーゼやシートで覆っていきます。
人によっては、吸引しながら中を洗浄することもあって、下手をすると口から液が出てくるともあります。
なので、この肺膿瘍の術後の瘻孔の処置は、とても気を使います。
B雄さんは、この瘻孔がかなり大きくて、気管支のだんたんがぽっかり口を空いていて、周囲の欠損した皮膚も糜爛し、ガーゼを10枚くらい詰め込んでいる状態で退院しました。
背中の一部に大きな穴があいているのです。
奥さんの手技確認をしながら、退院後は週に二回看護師が訪問してケアをしていました。
そして、日を追うごとに肉芽が上がり、B雄さんもみるみる元気になり、奥さんの代わりに家事までこなすようになりました。
でも、気管の断端は口を開けたまま、どうしてもそこだけはふさがらず、やがてそこからエアが漏れることで、声が出にくくなりました。
ほかにも、いろんな症状でせっかくのB雄さんの生活範囲はどうしても制限されてしまいます。
ADLが上がったぶん、活動的になることで、詰めたガーゼが動いてしまい、空気が漏れてしまうのです。
いろんな方法を試し、固定法も変え、固定用の絆創膏を変え、フィルム材も高価なものを使ったりもしました。
でもうまくいかないのです。
皮膚がかぶれたり、空気が漏れたりと、うまくいきません。
主治医にも何度もお話しましたが、これといって解決策がないまま過ぎていきました。
中でずれなければいいかと、煮沸したスポンジ用のものを、ガーゼにくるんで入れてみたりもしたようです。
でもうまくいかない・・。
例えば、組織欠損を補うようなシリコン性の型などを入れる方法はないのか、このままではせっかくQOLの質が向上してきたのに、再びもとに戻ってしまいます。
病院連携室に、そのことをお伝えすると、連携室ナースも一緒に考えてくれることになりました。
今、いくつか案があります。
これからそれを、試しながら解決していきたいと思います。
しょうがないじゃなくて、諦めず考えること。
B雄さんの生活が、より楽しく、充実する日まで、みんなでいろいろ考えていきたいと思っています。
でも、それは私くらいの年代だけなのか、もしくはその人の趣味的な話なのかもしれないと、最近思います。
昔は、病棟でも寝巻きを改造してみたり、看護物品を作ったり試したりして、それを看護研究として発表したりしていました。
でも、最近は私たちが考えるまでもなく、いろんな便利物品が商品化されていて、私たちは選べばいいだけになっているような気がします。
でも・・本当は、患者さん一人ひとりにとって、「これがあったら便利なのに。」っていうものがたくさんあります。
たとえ、商品化されていても、それを購入できる余裕がなければ、それに代わるものを必要とするわけです。
私は物を作るのが、どちらかというと好きです。
ステーションにミシンを持ち込んで、随分といろんなものを作りました。
その患者さんのためだけの介護用品などです。
このブログでも随分と紹介しましたが、物を作るだけでなくても、処置の仕方や代用品の捜索なんかもやっています。
今、スタッフの相談を受けながら、一緒に考えているものがあります。
肺膿瘍の患者さんは、年に二人くらいお引き受けしますが、その殆どの方に背中や腋窩に、術後の開放創があります。
ぽっかりと肺のあった部分に穴が空いているのです。
そして、その穴の奥からは呼吸とともにシューシューと空気が漏れますし、咳をするとそこから痰が飛び散ります。
つまり、気管支の断端が露出しているのです。
そこに、バラガーゼを何枚も入れて、さらにガーゼやシートで覆っていきます。
人によっては、吸引しながら中を洗浄することもあって、下手をすると口から液が出てくるともあります。
なので、この肺膿瘍の術後の瘻孔の処置は、とても気を使います。
B雄さんは、この瘻孔がかなり大きくて、気管支のだんたんがぽっかり口を空いていて、周囲の欠損した皮膚も糜爛し、ガーゼを10枚くらい詰め込んでいる状態で退院しました。
背中の一部に大きな穴があいているのです。
奥さんの手技確認をしながら、退院後は週に二回看護師が訪問してケアをしていました。
そして、日を追うごとに肉芽が上がり、B雄さんもみるみる元気になり、奥さんの代わりに家事までこなすようになりました。
でも、気管の断端は口を開けたまま、どうしてもそこだけはふさがらず、やがてそこからエアが漏れることで、声が出にくくなりました。
ほかにも、いろんな症状でせっかくのB雄さんの生活範囲はどうしても制限されてしまいます。
ADLが上がったぶん、活動的になることで、詰めたガーゼが動いてしまい、空気が漏れてしまうのです。
いろんな方法を試し、固定法も変え、固定用の絆創膏を変え、フィルム材も高価なものを使ったりもしました。
でもうまくいかないのです。
皮膚がかぶれたり、空気が漏れたりと、うまくいきません。
主治医にも何度もお話しましたが、これといって解決策がないまま過ぎていきました。
中でずれなければいいかと、煮沸したスポンジ用のものを、ガーゼにくるんで入れてみたりもしたようです。
でもうまくいかない・・。
例えば、組織欠損を補うようなシリコン性の型などを入れる方法はないのか、このままではせっかくQOLの質が向上してきたのに、再びもとに戻ってしまいます。
病院連携室に、そのことをお伝えすると、連携室ナースも一緒に考えてくれることになりました。
今、いくつか案があります。
これからそれを、試しながら解決していきたいと思います。
しょうがないじゃなくて、諦めず考えること。
B雄さんの生活が、より楽しく、充実する日まで、みんなでいろいろ考えていきたいと思っています。