こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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緊急電話なし?!

2009-05-06 01:51:01 | 訪問看護、緩和ケア
4日まで緊急当番でしたが、なんと緊急電話はブルンともせず、4日の訪問でも、皆さんとても落ち着いていました。

先週末までに、何人かの患者さんをお見送りしたので、お休みに入ってからは、うそのように静かです。
がん性の腸閉塞で衰弱されていたAさんは、病院に行くなら今しかないと言うところで、在宅の意思を決められて、小澤先生にお繫ぎしたとたん、びっくりするほど元気を取り戻したので、しばし安心です。
本当に、小澤マジックには毎回驚かされます。
確かに、ステロイドの使い方や、予測指示、疼痛コントロールが上手なことはわかっているのですが・・。
在宅に居たいという方にとって、「ここにいていいんだ。安心して家で過ごせるんだ。」と言う安心感と、話を聞いてくれる先生がいるという信頼が、しばしの間でも元気をもたらしてくれるんでしょうね。
私たちは、後はそっと寄り添うだけ。
ここまでくれば、ご家族もどっしりと腹を据えて「大丈夫ですか?」と電話を入れても「今日は大丈夫そう。見ていられます」と言う言葉が返ってきます。
とはいえ、いくら私たちが、「このご家族ならお看取りまでできそう」と思っても、無理強いはできません。
やはり、いろんな選択肢をご紹介しておく中で、病状の変化に伴って、そのつどご相談に乗りながら、タイミングが合えば、うまくお繫ぎすることができるわけで、
全部が全部ご希望がかなうわけではないのです。

いつか口腔内の出血で、私が口の中の出血部位を指で押さえている間、その私の手を気丈にもさらに下から支えようとした、あのかっこいいおばあちゃんが、連休直前になくなりました。
彼女は、日に日に増大する口腔内の腫瘍のため、息ができなくなるという不安が強くなり入院されていましたが。
時々担当だった看護師が様子を見に行くたびに、「家に帰りたい」と言っていたそうですが、衰弱が激しくなるにつれ、その言葉は聴かれなくなりました。
娘さんから訃報の電話があり、亡くなる前日に「訪問看護師さんとヘルパーさんには、本当に世話になった。ありがたかった。よくお礼を言っといてくれ」とはっきり言われたとお礼の電話をいただきました。
家で見送ってあげられなかったけれど、窒息の恐怖はどんなに怖かったかと思うと、おばあちゃんは病院でよかったんだと思います。

もう一人、やはり就労中の家族に迷惑をかけたくないと入院を選ばれた、Hおばあちゃんも、4日の日に病院で旅立たれました。
二人とも、ホスピス待ちでしたが、ホスピス病棟に上がる前に逝ってしまいました。ケアマネも兼任で2年も見てきた担当は、やはり寂しそうでした。

でも、お二人とも2年以上のお付き合いでしたから、スタッフ全員、そのあっぱれな生き様は心に焼き付いて忘れません。

残すところ、あと一日でゴールデンウィークもおしまいです。
また、いつもの毎日が始まるのです。
連休明けに退院予定の新患さんもいます。
何より、ご主人の転勤で長野に越してしまうスタッフの事が心配です。
患者さんの引継ぎもあるし・・・

お休み明けは、身体がペースを取り戻すのに時間がかかります。
がんばらないとね!

ちなみに、写真は我が家のモッコウバラと、なぞの花です。
なんていう名前の花か、忘れてしまいました。とほほ・・


ゴールデンウィーク真っ最中!

2009-05-05 00:50:01 | 日々のあれこれ
なんだかんだで、ゴールデンウィークもあと2日ですね。
4日は、排便コントロールや、病状の不安定な方、入浴などご希望の方を、みんなで手分けして訪問しました。
ちなみに、うちのステーションは休日診療所内にあるので、待合室はマスクをした人や、泣き喚く子供でいっぱいでした。
さすがに、今日あたりは休診のところが多いようです。
休日出勤中の事務の大原さんが、「夜のみなと未来は結構すいてる。開港博は18時以降半額だし。」と教えてくれました。
で、娘に話したら「いく!」と即答。
緊急当番も明け渡したので、晴れて自由の身。
夕方から、娘と出かけました。
見たかったのは、やはりENEOSの「ラ・マシン」
7時からの今日の最終公演をみました。
これは、本当に迫力でしたよー!
お暇があったら、ぜひ見に行ってみてください。
できれば夜のほうがgooです。暗闇に浮かび上がる巨体と、あの怪しい動きが迫力です。
なぜか、「風の谷のナウシカ」を思い出してしまいまいました。
死海の底でうごめくような・・・
動き出したとたん、最前列の女の子が泣き叫び、お母さんやむなく退散してました。
で、そのあとは未来シアター「BATON」を、30分並んでみました。
うーん・・・これは、3部作らしいんだけど、なんかいまひとつよくわからない。
すごいキャストを使って、実際の動きやアクションをコンピューターでアニメ化してるのかな??
内容は、コンピューター内臓ロボット??サイボーグ??のお話なのかな・・
なにしろ、意図がよくわからず、終わったときには、ご高齢の方は口をぽかんと開けて、首を傾げていました。
マニアックすぎて、ちょっと・・・のこり2部、3部を見に来ることもないでしょう。
隣で夜空に幻想的に輝くアースバルーンはきれいでした。
ちょっと離れてみていると、夜空に開いたブラックホールから映像が飛び出すみたいで、すごく素敵でした。
それれにしても、周囲を見ればカップルばかりなり!でした。

赤レンガ倉庫や、桜木町までの道はそれはそれは美しくきらめいていて、恋人たちはさぞや盛り上がったことでしょう。
私と娘は、カップル観察をしながら帰途につきました。ちゃんちゃん

胃瘻管理を変えたい!その2

2009-05-01 23:02:52 | 訪問看護、緩和ケア
大塚製薬さんやテルモさんが、さっそくサンプルを持ってきてくださいました。
なるべく早くいりますよね?と言って、すぐにサンプルを持ってきてくださって、いろいろ説明してくれました。
さすがですよね。この動きの早さ。
栄養剤に混ぜるタイプの大塚さんのイージーゼリー、そのまま使えるテルモのテルミールPGソフト。
それに付属の製品や、文献、カタログなど・・・
本当にありがとうございました。企業の姿勢でしょうか?頭が下がります。
できることなら、エンシャーリキット用にサンプルお願いした、会社の方もそういう対応してほしかったです・・
事務的な対応で、「ではサンプルお送ります」って・・
なんか、すっ飛んで持ってきて下さった、大塚製薬さんやテルモさんの対応とだいぶ違うなーと。

とにかく、そのサンプルと文献をもって、主治医の先生を回り、先生にも了解を得ることができました。

まず、いつもツインラインを使用している患者さんが、イージーゲルを使ったところ、ちょうどよい硬さになり、カテーテルチップで胃瘻から注入。
担当の看護師いわく「すごい!注入後いつもすぐにゼロゼロ始まるのに、ゼロっともいわなかった!」とのこと。
娘さんも「買う!すぐに買う!いつもならまだまだ滴下していて、当分そばを離れられないのに、もう終わっちゃった。それに、お母さんすごく楽そう!」と大喜びだったそうです。
明日には、もう一人の方がテルミールPGを開始します。
水ゼリーもサンプルでいただいたので、デイサービスに持っていく予定です。

ただ、主治医によっては「絶対だめ」と言われて、以前から希望していてもできない方もいます。
何でだめなのかわからないので、もう一度聞いてみてもらうつもりです。

少しでも在宅療養が楽になって、楽しめればいいと思います。
つらいつらいだけじゃなくて、上手に手を抜いて、介護を楽しんで欲しいと思います。
絶対、大切なものを手に入れられると思います。

訪問看護師は、いつも何かを作り出したり、新しいものを取り入れたりして、問題を解決できる、楽しいお仕事です。
うまくいったときの、「おおー!!」と言う感動はすごくうれしく、楽しい時間です。
もっともっと、在宅の仲間ができるといいのに・・・

臨機応変、新しいものでも、古いものでも、いいと思ったらチャレンジしていきたいと思います。



「風のガーデン」DVD見ました。

2009-05-01 00:36:42 | 読書、漫画、TVなど
先行予約していた「風のガーデン」DVDBOXを見終わりました。
じっくり見直すと、言葉の一つ一つが、胸にしみてきます。
おまけのDVDには、出演者や倉本聰さんのインタビューなんかもあり、岳君の「乙女の祈り」の演奏あり、「北の大地」の踊りの全収録あり、撮影風景ありと、中身も濃かったです。
なにより、あけてびっくり、全7枚の収納ケースの美しさにもうっとりです。

中井喜一さんと、倉本さんの対談の中で、「在宅で死ぬ」と言うことにも触れていて、中井さんは「がんばって全力で生きてきた人が、家で死ぬことを選ぶんじゃないか、」見たいな事を言っていました。

確かに、私たちが見送った方々は、がんばってきた人たちだったと思います。
がんばって、今を全力で生きて、人生を自分で開いて、だからこそ最後を自分で選べるのかもしれません。

ずっと、何かあったら病院で、と言っていたご家族が、ぎりぎりのところで「家でみれるものなら・・・」とご相談されることとがよくあります。
もちろん、それが可能なことは伝えてあっても、実際そこまでこないと、踏ん切りがつかないご家族も多いのです。
で、そこで初めて最後まで家を選択され、小澤先生をご紹介したとき、最初の診察で、ご本人に向けて、「まもなくそのときが近いこと」や「死生観」に触れ「あなたは、これからの時間を、どこで過ごしたいですか?」と切り出すのです。
ご家族はびっくりして、結構固まったりしますが、以外にも、病状を伏せていたはずのご本人が、「家族に迷惑がかかるが、できることなら最後までここにいたい」とはっきり言われることが多いのです。
後で聞くと、ご家族は一瞬本当にびっくりして、ショックを受けたものの、そのとき始めてご本人の本音を聞くことができて、最後を家で看取る覚悟ができたといわれます。
先週末、そうして小澤先生をご紹介した患者さんは、それまでの不安げで憔悴したお顔がうそのように、穏やかで笑顔が戻り、「もう、病院に行かなくていいんだね」と話され食事も少し取れるようになっています。
本当は入院したくなかった。でも、家族の負担を考えると、それが言えなかったんですよね。
今ご家族は、家族にためにがんばってきたお父さんを、全力で介護されています。
がんばった人だから、最後の願いをかなえられるんですよね。
もちろん、いろんな事情でそれが無理な方もたくさんいらっしゃるし、病院の方がよい環境でいられることもたくさんありますが・・・
ひとりひとり、どんな形にせよ、最良のお別れを「選択できる」と言うことが大切なのだと思います。

「風のガーデン」私にとっては、永久保存版のお話です。
在宅現場も、医療現場も、ほんとうに良く伝えて頂けていると思います。
本人や妻の意思を無視して、入院を迫る東京から来た息子に対して、貞三医師が在宅の話をするところは、ずっと、うんうんとうなずいてみていました。

岳君とのお別れのために、森のはずれで木に腰掛けて、おどけてさよならのポーズををとる、貞美の姿が、美しくて悲しくて、泣けてなけてしょうがなかったです。
まだ見てない方は、ぜひ見てください。
すごいです。