こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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どうしたものか、この褥瘡・・^_^;

2012-04-05 22:51:18 | 訪問看護、緩和ケア
色々な手立てを考えて、次々試してみても、どうにもこうにもならない時があります。

今、どうしたものかと思案中の問題ケースが二つあります。

一つは、仙骨部に出来た浅くて広い褥瘡。

もう一つは、とんでもない腹部膨満とガスの貯留。

最初のケース。
寝たきり志願の超頑固なおじいさんの、仙骨部に出来た褥瘡。

ひと月ほど前に、エアマットをグランデに変え、訪問入浴は週2回。
家族には、身体を触らせないので、訪問看護が
週4回。合間にヘルパーがオムツ交換。

毎回洗浄、ユーパスタ、モイスキンパットでの処置。

デブリも1回行って、意外にも深さはなく、表面のみの壊死であることが判明。

それでも、そのあとすぐに再び黒色痂疲となり、範囲も広がってきています。

うーん。
まずは清潔の維持と、毎日の処置はクリア。

食事はかなり偏食、ウナギのタレかけご飯とか、いつもきまったものしか口にしないで、一日中キャラメルをなめています。
なので、カロリーと脂肪はたっぷりとれていて、問題なのはタンパク質や微量元素など。

体位交換は本人出来ず、家族にも出来ず、訪問時に動かすのみなので、高機能のエアマットを使用中です。
体交器付きエアマットは、横滑りするだけで、かえってズレの原因になりそうですし、処置をしようとしても、時間で勝手にベットが上がっていて、すぐにおろせなかったりで、とてもやりにくいので使いません。

毎日、嫌がるおじいさんを横に向け、お尻を洗い、創を洗い、処置をしても、何故か見るたびに悪化していきます。
「なんで~!?こんなにやってるのに~」スタッフが叫んでいました。

とにかく、エアマットを入れても良くならないのは問題です。

グランデは、細長いセルタイプのエアマットです。

私は、球体が3層構造になって、交互に膨らむアドバンが昔から大好きで、いままでも仰臥位のまま4度の褥瘡をアドバンで治してきた経緯があるので、これを使ってみない?とケアマネに進めてみました。
最近、ビックセルExが出ましたが、とにかく体の沈み込みを抑えて、点で支持したいのでアドバンを試したいと思いました。
本来、グランデで一度体圧を測定して、アドバンでも測定して、さらに使ってみて有意差を見れればよいのでしょうが、本人は面倒なことをされるのが大嫌いなので、そこは省略して訪問入浴中にササッと交換したいと思います。

あーん。なんとか、私たちが毎日入っているのに、これ以上悪化しませんように。


退院時共同指導

2012-04-04 22:33:48 | 訪問看護、緩和ケア
4月から、介護保険でも退院前の訪問をすると、加算がとれるようになりました。

「退院前共同指導」は、<病院、診療所又は介護老人保健施設に入院中又は入所中の者が退院又は退所するに当たり、訪問看護ステーションの看護師等が退院時共同指導を行った後に、当該者の退院又は退所後、初回の訪問看護を実施した場合に、一 人の利用者に当該者の退院又は退所につき一回(厚生労働大臣 が定める状態(二十三号告示第五号を参照のこと。)にある利用者について、複数日に退院時共同指導を行った場合には二回) に限り、当該加算を算定できる。>というものです。

今まで、医療保険では「退院前訪問看護指導料」として、請求が出来るようになっていましたが、介護保険の患者さんの退院前訪問に、半日かけて行っても無報酬でしたので、連携の評価が頂けたことはすごく嬉しいことです。

ただし、この退院時共同指導は、退院前に病院にいき、病院との連携のもと退院する患者さんに、退院後必要な指導を行わなければいけないというもので、これをちゃんと文書としてお渡ししなくてはなりません。

とうぜん、連携室を介して現在の問題点や、今後在宅に向けてのどのように課題をクリアしていくかの検討は、今までも行ってきましたので、患者さんとご家族に向けて、専用の書面を作成することに関しては、それほど大変なことではありません。

今まで事業所用の書式であったものを、患者さんがわかりやすいような書面に変えて、今日、作成してみました。


加算を頂くと言う事は、イコール患者さんの負担にもなることなので、そこはきちんと対応しないといけませんよね。

しかし・・
思い起こせば、今までは離れた病院から呼ばれて、有料道路を使って駐車料金を使って、散々待たされて、半日かけてもまったくの無報酬だったわけですから、とてもスタッフに「行ってね」とは言え無い状況でした。
それでも、退院されて在宅が始まればまだしも、結局転院されてしまったり、最悪亡くなれれてしまう事もあり、真剣に話をした分がっくりしてしまう事も珍しくありませんでした。

とはいえ、近隣の病院では継続看護上の引き継ぎが必要な場合や、綿密な退院調整が必要な場合、ご利用者さんの在宅への不安が強い場合などは、退院前訪問は当たり前になっていました。

病院側では、今回の加算請求にあたって、今まで退院前訪問に来なかったステーションが、あまり必要性がなくてもこぞって来るんじゃないかと、ちょっと心配しているんじゃないかと思います。^_^;

以前は、訪問看護が入るのを分かっているのに、ケアマネだけで退院前訪問を終わらせてしまっていることがあって、肝心の医療的な調整が後手に回ったこともありました。
さすがに、最近は病院側から直接訪問看護ステーションに連絡が入るので、そういう事は無くなりました。

ここでも、ケアマネとの関係性がよければ、時間を合わせて一緒に訪問できますから、地域連携としてはいい感じですね。

ちなみに、来週初めて退院前訪問をする病院があります。
ここからは、ちょっと離れていてますが、たまに指示書が出ることもあり、頑張っていこうと思っていたら、なかよしのケアマネさんが、一緒に車に乗せて行ってくれる事になりました。
始めての病院は、かってもわからないのでちょっと不安だったので、すごくラッキーです。


大きく改定された24年度。
始まったばかりですが、これからどんなことが起こってくるのか、ちょっとドキドキします。

自由人の理由

2012-04-03 23:27:14 | 訪問看護、緩和ケア
私たちが自由人と呼んでいる人たちがいます。

いわゆる、好き勝手に人生を謳歌されてきた方たちです。

自分のやりたい仕事をえらび、嫌になったら喧嘩してでもやめて、お金があればあるだけ飲んで、周りにも大判ふるまいをするので、家族を持っても去ってしまう・・。

病気になっても、したいようにするのが鉄則で、時々関わる私たちも腹が立ったり呆れたりしますが、どこか憎めない方が多いような気がします。

以前にも書いたけれど、人のレールに乗るのは絶対嫌なので、相手が「こうあるべきです。」なんて言おうものなら、「なんだバカやろー」になってしまいます。

昨日の記事でも書いたけれど、このところかなり状態が悪化されている自由人Aさん。
今日は、朝から念願の腹水穿刺をしてもらいました。
巨大なお腹ですが、抜いたのは2リットルだけ。
Aさんは、抜いても抜いてもすぐに溜まってしまいます。
腹水の成分は、身体に必要な栄養がタップリ入っています。
アルブミンやグロブリンなど、栄養のジュース状態なので、これを抜けば抜くだけ、身体の栄養もぬかれてしまいます。
ですから、抜けばいいというものではなくて、間隔や抜く量は先生が慎重に決めます。

それでも、在宅では初めて腹水穿刺をしてもらえて、とてもうれしそうな表情をしていました。

主治医のK先生も、Aさんの性格は良くわかっていて、決して勝手に決めたり強要したりはしません。

今回も、ベースとなるオピオイドをお勧めするかと思いきや、やはり「2ℓの腹水を抜いてみて、それで生活してみないと、痛いかどうかわからない。」ので、すぐに処方箋を切るのではなく、明後日の往診まで待って、ご本人との相談で決めるという話になりました。

彼は、たとえすごく痛くても、納得いくまで薬を飲もうとはしないのです。

腹水穿刺をしているときに聴いてみました。
どうして、看護師がケアのお手伝いをするのが嫌なのかと。

「おれは、まだ家の中は歩ける。だからこの前も久しぶりに風呂入るつもりで、自分で沸かしたんだ。でも、途中で寝てしまって、もうお風呂入るの嫌になっちゃったので、ガスを止めて入らなかった。
だけど、あんたたちが来て入れてもらうとなると、時間を決められてその時に入らなきゃならないだろ。しかも、あんたたちの スケジュールにふり回されて、俺がそこに合わせないといけない。そんなことは絶対嫌だね。俺が寝たきりになったら、頼むから、今はほっといてくれ。友達がいるんだよ。」との事。

なるほど、確かにその通りではありますが、人によっては「同じ曜日の同じ時間に来てもらった方が、いい。確実にやってもらえることがわかって安心。」と言われる方もいます。

一般的には、ある一定の社会的なルールの中で、自分を当てはめて私たちは生きていますし、それが苦痛とも思わない自分がいます。
でも、それは確かに安心とは裏腹のうっとうしさなのかもしれませんね。

こういう場合は、私たちはひたすら待つしかないですね。
着きつ離れつ、距離を保ちながら、彼がヘルプを出した時に、すぐに手助けをするということです。

今日、いやいやではありましたが、区分変更の認定調査も行われ、「何でもできるよ。」と言っていしまっているAさんの介護度がいくつになるか、ちょっと楽しみです。

要介護と要支援の間

2012-04-02 22:24:26 | 訪問看護、緩和ケア
絶対に要介護が付くはず、と病院連携室からも言われ、退院前訪問にうちのケアマネと行って、退院調整も全部うちのケアマネがやって、なんども様子を見に行って・・。
そして、やっと認定結果がでたら、なんと要支援!!
うそ・・

入院中の調査だったのに、車椅子だったのに、腹水でパンパンのお腹、もう腹水穿刺もあまりできなくなったといわれていて、これから在宅でたった一人で死ぬまで過ごすと言っているのに・・。

介護保険は、病状や病名はあまり反映されないのです。

まして、「自分は家に帰ったら、誰の手も借りずに、自分で全部できるよ。」なんて本人が言ってしまえば、それはすぐに真に受けられてしまうのです。

そして、かれは公言通り大きなおなかを抱えて、数メートル歩いては休み休みしながらも、バスに乗って隣町の友人の家を訪ねたりしていました。

こういう状況では、区分変更をかけてもしょうがないので、しばらく静観することとなりました。

問題は、介護度が付くと思って始まったうちのケアマネジャーは、要支援は受けられないと言う事です。

要支援の場合は、<予防のプランを立てますよ。>という申請をして、委託された事業所が要介護とは全く違ったフォーマットでプランを立てなくてはなりません。
これは、結構面倒なのでうちは申請をしていませんし、委託を受けた一般の事業所は、それほど多くないと思います。
通常、支援のケアマネは地域ケアプラザがやっているので、うちの場合、ご利用者さんが支援になった場合は、地域のケアプラザに送ることになります。

でも、これは患者さんにとっては、すごく迷惑・・というより、なんでそうなるのかよくわからない話です。

ケアマネジャーはかなり踏み込んだ話もしますし、何度も会って気心が通じたことろに「支援が出ちゃいましたから、ケアマネ変わりかす!」っていうのは、本当に混乱しますし、がっかりな話です。

こちらで申請からするときには、申請用紙にびっしりと必要性を書いたり、その場で言えなくても、あとで「実は、出来るって言ってましたが、こんな感じです。」などという情報提供もして、必要な介護度を確保したりします。
今回は、病院の「介護度はつくはずなので、ケアマネさんもお願いします。」という言葉で開始しましたし、私たちも状態から言って介護度1以上にはなると思いました。

腹水穿刺を繰り返していることは、もうかなり衰弱されていると言う事になりますし、申請結果が出るころには、どんな状況になっているかを考慮してほしかったと、つくづく残念ですね。

そして今日、朝一番の訪問をした担当から電話が・・。
「○○さんがいません。鍵もかかっているし、外からのぞいた感じでは、倒れているようには見えません。外から電話をかけて貰えますか?」

でも、携帯に何度かけても本人はでません。

実はこの1週間で腹水はMAXとなり、痛みも出ていて夜もあまり寝られなくなっていました。
痛みもありますが、薬を使う事にかなり抵抗感があります。

私も含めて、アパートの周りを随分と探しましたが、彼の姿はなく、きっと無理をして外出されているのだと判断しました。

夕方、やっと電話がつながりました。

彼は、やはり隣町の友人宅にいました。
「何だかよくわからないけど、人が変わったんだろ!?もうあんたたちは来ないで、どっかに変わったって言うから、来ないかと思ったんだよ。」
「なんだよ、全然わからないよ。どうなってるんだよ。おれは、全然風呂にも入れないし、夜も眠れないんだよ。だから、友達に手伝ってもらおうとしてここまで来たんだ。でも、ひどく痛くなっちゃうし、友達のところにまだいるんだよ。」

ケアマネジャーが変わることで、かなり混乱し、訪問看護とごちゃ混ぜになっていました。
しかも、痛みは強くなっているようです。
「お風呂や身体の清潔のお手伝い、看護師にもできるんですよ。」というと「いいって言ってるだろ!友達に頼むからいいんだ!」といいます。
痛みも、どうなるものではないと言い放ちます。

その都度話をしていますが、彼は記憶がかなり曖昧になっていて、なかなか話が伝わら無いのも事実です。

明日は、在宅での腹水穿刺の予定です。

今回は、穿刺中に私が同席しての調査を行います。(怒るかもしれないけれど・・)

はてさて、これからどんなふうにアプローチをしていこうか思案です。

どこまで、自分をつらぬけるのか、どこまでそれをフォローできるか。
なかなか難しい問題です。

ところで、今日ステーションにキャンサーリンクからご案内が来ました。

「がん体験者による、癌患者・家族のためのピアサポート」

横浜では、元町入口の「KADOBEYA」、数カ所の病院などでがん体験者による心の相談窓口があるそうです。
同じ経験をした者同士だからこそ、本音で思いをぶつけられるかもしれません。
また、そこで仲間同士の情報交換もできるようです。

病名を告知され、激しい動揺の中誰にも言えないでいるかた、再発転移の恐怖に眠れぬ夜を過ごされている方、医療者ではなく病気を共有できる仲間に出会えるかもしれませんね。

さて、まだまだ室内移動中の我が家なので、ブログの亢進も思うようにできません。
なんか、モチベーションも下がり傾向ですが、私の振り返りにもなっているブログです。

ちゃんと言葉で伝えて行けるように、頑張ります。
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